2017 Fiscal Year Research-status Report
心的表象能力の発達メカニズム-社会文化的視点からのアプローチ
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16K04327
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
辻 弘美 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (80411453)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心の理論 / 誤信念課題 / 言語処理 / 視線 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,「心の理論」の発達メカニズムにおける社会文化の影響について解明するために,1)実行機能と言語の関係性を縦断的に捉える実験と,2)言語使用の有無条件を操作したなかで,心の理論課題の推論がどのように異なるかを検討する実験を平成28年度より継続して実施した。
1)実行機能課題と心の理論の推論課題を用いた縦断研究データ収集は,第2時点を終了しその分析が完了した。これらの成果を国際学会(Jean Piaget Society Annual Conference 2018)で発表予定である。また第1時点でのデータ分析結果については,British Psychological Society Developmental Section 2017で発表した後に論文として投稿し,現在査読審査中である。
②言語の有無条件によって,心の理論課題の推論がどのように異なるかを検討する実験の成果は,日本基礎心理学会2017年大会で発表した。また成果発表を通して得られた新たな知見をもとに実験刺激の部分的な修正を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象とした幼児教育機関からの全面的な協力をえられていることと,これまでの事前準備が計画どおりにすすめられたことが,全体計画の順調な進捗状況に貢献している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)実行機能と言語の関係性を縦断的に捉える実験については,第3時点のデータ収集を平成30年秋に行い,その後全体的な縦断データの分析にとりかかる。
2)言語使用の有無条件を操作したなかで心の理論課題の推論がどのように異なるかを検討する実験では,修正を加えた刺激を用いて新たに実験を実施する。これらを順調に分析まで進めることができれば,その成果を2019年3月の国際学会(Society for Research in Child Development)にて発表を行なう。もし時間的な余裕がない場合は,そのまま投稿論文の準備を行なう。
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