2017 Fiscal Year Research-status Report
幼児教育の質が実行機能ならびに認知能力に及ぼす影響―遊びの充実を視点として-
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16K04330
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
湯澤 美紀 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80335637)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幼児教育 / ワーキングメモリ / 実行機能 / 遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな柱は2つあり,一つは,幼児教育の質が,子どもの小学校以降の学習を支えるワーキングメモリ,また,自律的な学習態度や社会的行動の制御を担う抑制や注意のシフトといった3つの実行機能にいかなる影響を及ぼすのかといった点について,縦断的な調査を実施することである。もう一つは,遊びを中心とした包括的トレーニングを短期縦断的に実施し,その効果を検証することである。 現時点において,幼児教育の質を明らかにするための,園での観察の実施を行ってきている。特にその中でも,戸外での遊びの有効性を示すとともに,わらべうたに着目してきた。わらべうたは,様々な感情体験とともに,人と人との直接的な関わりにより支えられている。わらべうたを用いた遊びは,結果,子どもの情緒の安定をもたらし,五感を使って物事をつかむことや,遊びを通して自己抑制を行う体験を促していく。今年度以降の課題として,幼児教育の質をいかに測ることができるのかといった量的・間主観的観点からの分析とともに,短期縦断的な包括的トレーニングを実施することである。 ただし,一つめの課題として,アセスメントの開発が遅れており,実施は次年度へと持ち越しとなった。そのため,実施計画の内容を入れ替える形で対応していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼稚園・保育園での観察は引き続き続けており,今後のアセスメントに係る資料収集は行ってきている。また,保育学関連の文献の整理も同時に行っているところである。ただし,昨年度同様,アセスメントの開発が遅れており,ワーキングメモリ関連のアセスメントは,次年度に見送ることとした。ただし,2019年度に行う予定にしていた内容を前倒しで行うこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
療育場面で予備的に実施し,各局面での活動が,子どもの興味・関心を高め,より効果的なものになるよう専門家と相談し,プログラムを改良する。また,ワーキングメモリの小さい年長幼児10名程度の子どもたちを対象とした遊びを中心とした活動を行い,その効果を量的・質的に分析することとする。 現時点で収集している遊び場面でのエピソードなど,幼児教育の質と関連させて,論文化していく。
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Causes of Carryover |
研究実施に関し,次年度に持ち越した課題があるため,それにかかる人件費等が繰り越されるため
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