2018 Fiscal Year Research-status Report
幼児教育の質が実行機能ならびに認知能力に及ぼす影響―遊びの充実を視点として-
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16K04330
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
湯澤 美紀 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80335637)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幼児教育 / ワーキングメモリ / 実行機能 / 遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな柱の一つが、幼児教育の質が、ワーキングメモリを含む認知機能にいかなる影響を及ぼすのかといった点について検証を行うことであり、もう一つが、遊びを中心とした包括的トレーニングを短期縦断的に実施し、その効果を検証することである。 現時点までに、幼児教育の質に関して、文献を整理するとともに、イギリスのOfstedの取り組みを参考に、幼児教育の質をいかにアセスメントすることができるかといった点について参考資料を得、論文としてまとめることができた。同研究を補足するために、イギリス教育省でミーティングを行い、イギリスで採用されている幼児教育の質を測定する尺度について情報交換を行った。また、British Dyslexia Associationに参加し、ワーキングメモリの実践場面での応用に関して情報収集を行った。 また、包括的トレーニングの内容を検討するため、特に、自然の中での子どもの遊びに着目し、新たなフィールドにて観察研究を開始した。その結果、幼児教育の質の影響を認知機能だけではとらえきれないことが示唆された。また、昨年度に引き続きわらべうたに関する調査・文献研究を重なってきたところ、特に幼児期においては、わらべうたを介した関わりが、親子関係の質にも影響しうることが示唆された。そのため、包括的トレーニングの影響として、子どもの認知機能だけではなく、情動面にも着目すること、加えて、親のマインドセットの変化についても、明らかにしていくことを決定した。 それらの結果を踏まえ、次年度に向けた包括的トレーニングの内容を精査し、プログラムの立案を行った。現在、研究実施に向け、協力園側と調整している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アセスメントについては、他の研究で進行中であったテストバッテリーの開発を待つこととなったが、年度の後半になったため、包括的トレーニングの実施とその効果についての検証は、次年度に行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
アセスメントについては、開発が終了したため、次年度の早期に実験を実施する計画を進めている。
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Causes of Carryover |
研究実施に関し、次年度に持ち越した課題があるため、それにかかる人件費等が繰り越されるため
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