2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児教育の質が実行機能ならびに認知能力に及ぼす影響―遊びの充実を視点として-
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16K04330
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
湯澤 美紀 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (80335637)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幼児教育 / ワーキングメモリ / 実行機能 / 遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度に実施した文献・実地調査をもとに,遊びを含んだ包括的トレーニングを立案・実施し,幼児教育の質が子どもの認知能力ならびに情動性への影響について検討を行った。 具体的には,療育施設において,人と人との関わりを生み出し,また,楽しい遊びを維持するために,幼児自らが主体的に行動を調整していくことを促すわらべうたに着目し,週に数回,30分程度わらべうたを中心とした遊びを組み込んだ活動を4,5歳児を対象に約3ヶ月間実施し,子どもたちの認知・社会性・情動性への影響を検討した。包括的トレーニングを実施した施設を実験群,同トレーニングを実施していない同系列施設(他のプログラムは同様)を統制群とし,プリテスト(包括的トレーニング以前)・ポストテスト(包括的トレーイング以後)として、両グループの幼児のワーキングメモリならびにSDQ得点を比較することとした。加えて,支援者ならびに親のマインドセットがいかに変化したかといった点についても検討した。包括的トレーニング実施中は,子どもの様子を観察し,子どもの育ちの姿をエピソードとして記録した。資料収集は2020年3月に終了し,次年度,分析を終了する予定である。 また,幼児教育の質に関して,昨年度に引き続き本年度もイギリスの教育制度を参考にすることとした。具体的には、フォレストスクールならびに現地学校園視察としてイギリスの3つの学校園訪問を行うとともに、幼児教育に関する3つのインタビューを行い、本研究を論文化する際の資料を得た。なお、昨年度以降実施している自然の中での子どもの遊びに関する観察研究は、本年度も引き続き行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は計画通りであったが、昨年度以前の進展が影響し、全体的には1年程度、実施内容が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を論文化していくこととする。また,次年度は,保育施設にてアクションリサーチを行う予定であったが,新型コロナの影響で対面式の調査ができない状況となっている。そこで,次年度は,質問紙調査に切り替えるなど方法を変更し,幼児教育の質が,子どもの認知能力ならびに情動性に及ぼす影響を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
データ分析に関する人件費が次年度に持ち越されたことと、当初計画予定の研究が最終年度に持ち越されたため
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