2020 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of quality of early childhood education on executive function and cognitive ability: from the perspective of fruitful play
Project/Area Number |
16K04330
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
湯澤 美紀 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (80335637)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幼児教育 / ワーキングメモリ / SDQ / ライフスキル / 森のようちえん / わらべうた / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、遊びを含んだ包括的トレーニングとして2020年度に実施した介入研究の成果を整理するとともに、幼児教育の質がその後のライフスキル・認知能力にいかなる影響を及ぼすのかといった点について、それ以前に実施してきた「わらべうた」の介入研究ならびに「森のようちえん」での観察研究をもとに、質問紙調査を作成し、実施した。 2020年度に実施した研究の成果のまとめは以下の通りである。 療育施設において、人との関わりを生み出し、また、楽しい遊びを維持するために、幼児自らが主体的に行動を調整していくことを可能とさせるわらべうたを中心的な活動とした介入研究を4,5歳を中心に実施し、実験群と統制群で比較を行った。結果、行動変容の指標として用いた社会的な適応を測定するSDQが実験群において有意に高くなっただけではなく、ワーキングメモリの指標も実験群において有意に高くなった。 上記に見られた行動・認知能力の変容は、「森のようちえん」や「わらべうた」に共通する保育の質が影響したと考えられた。そこで、幼児教育の質として新たに質問紙を作成した。具体的には、幼少期の幼児教育の質として、遊びや時間における自在性と幼児自身の自律性等を尋ねた。質問紙調査では、幼児期の体験が成人後のライフスキル・認知能力にいかに影響するのかといった点について因果モデルを想定し、20代から50代の300人の成人を対象とした調査研究を行った。なお、幼児教育の質についてさらに検討するために、人的環境として保育者300名に着目し、現在の保育環境の実際についても質問紙調査をおこなった。
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