2016 Fiscal Year Research-status Report
家族療法の面接場面におけるジェンダーの配慮と活用に関する臨床心理学的研究
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16K04338
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
奥野 雅子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (60565422)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 家族療法 / ジェンダー / 配慮 |
Outline of Annual Research Achievements |
心理療法におけるジェンダーに関する配慮のあり方について家族療法の面接場面に着目し、文献研究によって理論的検討を行った。その結果、家族療法におけるメインセラピストとサブセラピストが構成するシステムの機能を活用することが効果的であることが示唆された。 また、これまで臨床心理士20名を対象に行ったインタビュー調査のデータについて、家族療法をオリエンテーションとする9名を対象に、性差やジェンダーに関する問題への取り組みについて再分析を行い、問題解決に関するプロセスを提示した。そこでは、まず面接構造を提示し、導入の調整と扱うトピックの選択を行い、面接の枠組みを維持しながらジェンダーセンシティブな介入をすることが示された。 さらに、クライエントが男女のペアで来談する家族療法の面接場面に着目し、メインセラピストとサブセラピストがどのように性差やジェンダーの影響を配慮しているのかについて検討を行った。家族療法をオリエンテーションとし、家族療法面接でメインセラピストを務める臨床心理士6名に70分~120分の半構造化面接を実施した。質問内容は以下である。1)家族療法の面接を進める上で直面した性差やジェンダーの問題についてお聞かせください。2)それらの問題について、どのように対応しましたか? 3)これまで行ってこられた家族療法を用いた支援についてどのように感じていらっしゃいますか? 4)サブセラピストとの関わり方についてお聞かせください。 得られたデータをすべて逐語に起こして、修正版グラウンデッド・アプローチで分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究を文献研究でレビューし、理論的な枠組みを捉えられている。これまでのデータを再分析することで、探索的な検討を行ったうえで、本研究に実際に着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
メインセラピストを担当した経験を積む家族臨床家へのインタビュー調査についてもう少しデータ数を増やして面接を行ったうえで、サブセラピストを担当した経験がある家族臨床家へのインタビュー調査に移行する。 質問項目は、以下に予定している。①面接を進める上で直面した性差やジェンダーの問題 ②それに対してどのように対処したか ③行った支援をどのように感じているか ④メインセラピストとの関わり方 である。
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Causes of Carryover |
業者に提出したインタビューデータに関する逐語作成の成果物が年度内の納品不可能となったため、来年度に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定している学会発表の出張にあてる。
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Research Products
(5 results)