2019 Fiscal Year Research-status Report
日本に適合したカウンセリング訓練ツールの開発に関する基礎研究
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16K04341
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤生 英行 筑波大学, 人間系, 教授 (40251003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮道 力 岡山大学, 岡山大学東京オフィス, 准教授 (20627822) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カウンセリング / スキル / 有益性 / 逐語作成ソフト |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年4月より10月まで,カルフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD),コミュニケーション学部において,Visiting Scholarとなり,関連研究者との交流を通して最新の技術情報等を収集した。特に、AIを用いた、逐語録自動作成補助アプリの作成について、情報収集を行った。また,同社会科学研究棟の研究室を用意して頂き、そこでこれまでの収集したデータについて,さまざまな観点からの再分析を行った。 日本への帰国後は,上記のデータの再チェックをさらに進めた。 今まで,これまで収集されたデータの個人情報マスキングおよび多重評定による評定信頼性の確認を行っていた。 今年度はこれらのデータの分析により,カウンセラー,クライエントの双方からカウンセラー・スキルの有効性(効果)を一要因分散分析で検討した。その結果,他のスキルに比べて,クライエントからのカウンセラーのスキルの有益性判断評定は、「言い換え(restatement)」では他のスキルと比べて有意傾向レベルで高い傾向がみられ,「感情の反映(Reflection of Feelings)」では,他のスキルと比べて5%水準以下で有益性評定得点が有意に高かったことが明らかになった。 これらの成果は,2020年9月に行われる,日本心理学会第84回大会にて発表予定である。 在外研究での情報や成果から,2020年度からAIを用いた逐語作成プログラムのカウンセリング訓練への効果について実験をおこなう予定である。4月に実施される予定の著者の属する大学での、研究倫理申請にエントリーを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの,データの複数評定者による,個人情報マスキングおよび,個人評定の多重チェックなどがスムースに進行した。今後は,分析をさらに進めること,知見の公表が課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,様々な観点からの分析方法を試みるとともに,その分析をさらに進めること,知見の公表が課題となっている。
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Causes of Carryover |
在外研究員の際に、消費するであろう予算を十分に計上していたが、実際には支払い不能な費目となり、残額が生じてしまった。
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