2018 Fiscal Year Research-status Report
外国籍児童青年に対する複合的な文化的基底に立つメンタルヘルス支援モデルの開発
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16K04352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 真理子 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (80229575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健一 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (10284142) [Withdrawn]
坪井 裕子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (40421268) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国人児童 / ウェルビーイング / 文化 / 主観的幸福 / フィンランド / モンゴル |
Outline of Annual Research Achievements |
第一段階研究:平成28年度実施調査の成果である、日本に在住する外国人児童において日本語能力によって、ウェルビーイングに相違があることや、保護者調査からは、多くの保護者が日本での高等教育を期待していることや外国人児童の義務教育から高校への繋ぎが課題であること、また特に日本語能力の低い児童にとって学校生活における教員 の存在が、ウェルビーイングに重要であることなどの成果を学会誌(査読)に発表した。 第二段階研究:第二段階として、外国人児童の主観的幸福について、質的なアプローチを試みた。具体的には、平成28年度から29年度に実施収集した日本人児童、日本在住の外国人児童、モンゴル人児童、フィンランド人児童 計1000名を対象として、より質的なウェルビーイングの現状解明を行うために、主観的幸福感について質的調査(国際比較)を行った。方法は、大山ら(2010)の主観的幸福感(sense of happiness)のSCTを参考として児童版を作成し、各国言語に翻訳実施した。これらの調査は名古屋大学教育発達科学研究科研究倫理委員会の承諾を得て実施した。成果は、平成31年3月の国際公開セミナー(「日本とフィンランドの子どもにおける主観的幸福を語る夕べ」、名古屋大学)で一部公表、他成果は平成31年7月の国際児童青年精神医学会において発表後論文投稿、公表予定である。その後、本科研における最終報告をまとめる予定である(科研期間延長承認済み)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展しているが、海外調査において、質問紙翻訳、バックトランスレーション作業、データ収集作業等モンゴルおよびフィンランドでの作業が時間を要したため、2018年度後半において全4群の分析が可能になった。その後統計的分析に相当なエフォートを費やした結果、最終の一部成果公表を趣旨とした国際セミナーを名古屋大学において開催することができた(2019年3月)。最終的な成果公表は、2019年6月の国際学会(ヨーロッパ児童青年精神医学会)発表、その後の学術誌投稿において実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年7月2日にヨーロッパ児童青年精神医学会において、本研究の主調査成果を発表し、その後、国内外学術誌に論文投稿予定、その後本研究成果を基盤として、特に日本在住の外国人児童青年のウェルビーイング向上を目指して、継続して研究発展させていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2018年度研究成果発表が2019年度学会および学術雑誌投稿になったため、その経費を次年度に延期した。
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Research Products
(6 results)