2016 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の早期集中支援を可能にする包括的e-Supportシステムの構築と検討
Project/Area Number |
16K04373
|
Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
菅佐原 洋 常磐大学, 人間科学部, 助教 (00537235)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 臨床心理学 / 心理学的介入 / e-Support / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、iPod やタブレットPC などのデジタルデバイスを,(1)アセスメントデバイス,(2)指導デバイス,(3)アシスタントデバイス,(4)記録デバイス,(5)コンサルテーションデバイスの5つの用途で包括的に用いる,包括的早期集中支援サポートシステムの効果の検討に関する予備実験を主として研究を遂行した。 まず、支援プログラムの作成の予備的検討のために、大学院生に対し、見本合わせ課題を用いた支援スキルの評価と訓練を実施した。その結果、評価においては、発達臨床に携わっている臨床家とレクチャーとロールプレイを中心とする訓練を実施した大学院生においては、被学習者の正答率などは同程度になるものの、単位時間当たりの試行数などに大きな差が示された。これらの結果は、平成28年10月に開催された東北心理学会、学会企画シンポジウムにおいて発表した。また、集中支援の支援課題の1つである、4コマ漫画を用いた発達障がい児の情動理解と表出支援についての現在までの成果のまとめを、平成29年2月に行われた、愛と傷つきやすさと被害者学の共同セミナー(常磐大学・茨城大学共催)第12回ジョイントセミナーにおいて発表した。 加えて、(4)の実験記録デバイスとしての実験として、デバイス内に簡易に実験データを収集・保存し、PC上で分析可能なアプリを作成し、大学生を対象にした選択行動の実験場面を用いて検討を行った。その成果は、平成28年9月に開催された日本行動分析学会第34回大会において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね順調に進行しているが、平成29年の個人情報保護法の改正に伴い、発達障がい児を対象者に含む本研究においては、個人識別符号や要配慮個人情報への対応が必要と考えられるため、平成29年度に向け、インフォームドコンセントの修正等が必要となる。またそれに併せて大学倫理委員会への審査申請を行う必要があるため、新規研究部分については、それに併せたスケジュールの変更が必要となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、平成29年度早期に、新規研究に関する倫理申請を行う予定である。その後、幼小学校の夏休み期間などを中心に、発達臨床に携わる大学院生や臨床スタッフを対象に、デバイスを使用した、(1)訓練者自身のスキルアセスメントと訓練、発達障がい児への(2)アセスメント、(3)訓練、(4)行動観察記録の実験を開始する。具体的には5名程度の訓練者に参加を募り、iPodを使用したe-Supportシステムの試験運用を行う。
|
Causes of Carryover |
予定をしていた新規の実験について、個人情報保護法改正に併せた倫理申請を行った後に実施する必要が生じたために、謝金等の使用が行われなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に行う実験において、従来予定していた人件費・謝金等に加える形で執行を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)