2018 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の早期集中支援を可能にする包括的e-Supportシステムの構築と検討
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16K04373
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菅佐原 洋 慶應義塾大学, 社会学研究科(三田), 講師(非常勤) (00537235)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 心理学的介入 / e-Support / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては、本研究の目的である、(1)対象児のプレスキル,および親の支援スキルのアセスメントデバイス,(2)コンピュータ支援指導教材を実施する指導デバイス,(3)親の集中支援の補助をするアシスタントデバイス,(4)対象児の学習と親の支援スキルの変化の記録デバイス,(5)Skypeやメールなどを通じたコンサルテーションデバイスの6つのデバイスとしてICTを包括的に用いる,包括的早期集中支援サポートシステムの効果の検討のうち、(1)、(4)、(5)についての検討を行うために、障害児通所支援事業所に支援を行う5名の指導員が参加児3名に対し支援を行っている場面を対象に検討を行った。 その結果、(1)支援に関連する知識の評価点と実際の支援場面に対する評価点が必ずしも一致しないこと、観察者間一致率が高い2名の熟達者からの評価にも関わらず同一スタッフに対する支援スキル評価において、対応する子どもによる差が大きく示されたことから、(2)支援スキルは必ずしも一貫せず、対象となる子どもによって差が生じることが示された。これらの結果は、日本行動分析学会第36回年次対応において発表された。 開発した支援包括的早期集中支援サポートプログラムを5名のスタッフに実施した前後を比較したところ、(3) 5名中3名で2か月の介入後に訓練に関わる支援スキルの平均得点率が上昇した。加えて、(4)支援スキル全体においても、平均得点率の有意な上昇が示されただけではなく、(5)介入対象児以外に対する般化評価でも平均得点率の上昇も示された。これらの結果について、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関の変更に伴い、研究実施体制の再確立が必要となったため、現行開発プログラムの系統的な追試実験の実施が平成31年度に後ろ倒しとなった。しかし、研究全体においては許容可能な範囲での変更であるために研究は概ね順調に進行していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度であることから、現在までに得られている研究成果について詳細な分析とその発表を行う事が主となる予定である。加えて、その後、e-Supportシステムの改善のため、発達臨床に携わるスタッフを対象に、デバイスを使用した、(1)訓練者自身のスキルアセスメントと訓練、発達障がい児への(2)アセスメント、(3)訓練、(4)行動観察記録の系統的な追試を行う予定である。
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Causes of Carryover |
所属機関の変更に伴い、平成30年度に実施予定であった研究実施が平成31年度に変更となったために、使用金額の変更が生じた。本年度の研究実施に伴って執行される予定である。
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Research Products
(1 results)