2017 Fiscal Year Research-status Report
恋愛関係におけるストーキング・つきまとい行動の予測と対処に関する研究
Project/Area Number |
16K04386
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
越智 啓太 法政大学, 文学部, 教授 (40338843)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | デートバイオレンス / ストーキング / ハラスメント / 恋愛 / つきまとい / 犯罪 / ストーカー防止法 |
Outline of Annual Research Achievements |
恋愛関係にある二者間におけるドメスティックバイオレンス・ハラスメント、とくにストーキングやつきまといについての調査を行った。交際中のカップルについての面接調査と過去に交際経験のある調査対象者への面接調査を元につきまとい、ストーキングなどの行動に影響する可能性のある諸要因についてピックアップし、これを参考にして調査プラン(第2回調査)を作成した。昨年より追跡している1000組のカップルを対象にこの調査プランに従って、第2回調査を行った。調査内容は、現在および過去の本人および交際相手の属性、関係性、交際行動、心理特性、デートバイオレンスの状況等である。当初の予測通り、3~4割の回収率で1年後のデータを収集することに成功した。また、当初の予想通り、その約半数強が現在も交際を持続しており、半数弱が交際を終了していることが明らかになった。交際終了しているカップルにおいて、交際終了後にストーキング、つきまとい行動が発生したケースで、交際時のさまざまな属性、心理データなどをもとにして、その後のストーキング行動が予想可能かどうか、ロジスティック回帰分析、機械学習等の分析によって予測モデルを作成できるかどうかを検討した。また、交際継続中のカップルの中でもストーキング、つきまとい行動が増加しているケースについて、事前のデータからその状況を予測できるかについて検討し、モデルを作成した。現状でいくつかの予測モデルが構築されている。今後はこれらのモデルをより詳細なものにしていく研究を進めていくとともに、別のカップルデータを使用してモデルの妥当性を確認していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のもっとも重要な部分である1000組のカップルの追跡調査が順調に推移している。とくに調査の結果、交際が継続しているカップルのデータと交際が終了しているカップルのデータ、つきまといやストーキングなどが発生しているカップルのデータが予想通りに収集できた点は大きく、本研究の最も困難な局面は乗り切った。また、カップルについての面接調査も一通り終了し、この結果は第2回目の調査に無事反映することができた。今後はこれらのデータの分析や、べつの調査サンプルについての調査を行うことになる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、実証的な部分に関しては、1)1000組のカップル追跡データのより詳細な分析と、2)新たな調査対象者についての調査と分析3)研究の社会的実装への試み ということになる。また、研究成果の論文化などを並行して進めていくつもりである。
|