2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-sectional and longitudinal studies on psychotherapy termination
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16K04387
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
金沢 吉展 明治学院大学, 心理学部, 教授 (10152779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩壁 茂 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (10326522)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心理療法 / 終結 / 質問紙調査 / インタビュー調査 / スーパービジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
①縦断的研究:実際にカウンセリングを行ったセラピスト-クライエント12組を対象に質問紙調査を行った。クライエントによるカウンセリング終結時のOQ45得点を基に、平均値により高群・低群の2群に分け、治療同盟尺度日本語版および面接評価尺度について、2群間に有意差があるかt検定により検討した。その結果、カウンセリング開始時のセラピスト側の治療同盟尺度3項目、面接評価尺度1項目について有意差が認められた。終結時においてはセラピスト側の治療同盟尺度2項目、面接評価尺度4項目において有意差が見られた。一方クライエントについては、終結時の面接評価尺度1項目のみに有意差が見られた。クライエントの変化とセラピスト側のプロセス指標との間に関連があることが想像される。 ②スーパービジョンに関する研究:終結を経験したセラピスト11名を対象にして半構造化面接調査を行った。合議制質的研究法により分析を行った結果、以下の6つのドメインが抽出された。 1.ケースの概要、2.これまで受けてきたスーパービジョンの概要、3.インタビューイーの基本情報、4.終結に関するスーパービジョンについて、5.スーパービジョンが及ぼした影響、6.インタビューの振り返り ③事例研究:長期個人カウンセリングの終結を迎えた2名の成人女性クライエントを対象として半構造化面接を行い、その結果をグラウンデッドセオリー・アプローチを用いて分析した。その結果、クライエントにとっては、終結を迎える上でそれまでの面接プロセスを振り返る内的作業が行われていること、終結は悲しみや別れる不安を喚起したが、感謝、旅立つ気持ちの張り、強さなどポジティブな感情も引き起こしていた。終結は単に別離という意味合いだけでなく、「卒業」「出発」などの肯定的意味合いも有していることがうかがわれた。
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