2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the significance and effectiveness of criminal psychological evaluations in criminal cases
Project/Area Number |
16K04399
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Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
橋本 和明 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (80434687)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 犯罪心理鑑定 / 刑事裁判 / 証言 / 犯行のメカニズム / 犯行動機 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本研究では,犯罪心理鑑定の意義や目的を明確にし,有効な刑事裁判への活用方法,そのための鑑定方法のあり方について検討を重ねた。そこで蓄積した知識や技法などを整理し,研究者が編者となって書籍(『犯罪心理鑑定の技術』(金剛出版)2016)を刊行した。また,犯罪心理鑑定人の養成のために,研修講座を年6回シリーズで2年間にわたって開催したり,単発研修を計4回開催した。また,犯罪心理鑑定についてを広く知ってもらうために,弁護士会と共催でシンポジウムを計3回実施した。そして,研修教材として,模擬法廷の場面における鑑定人の証言場面のDVD教材を制作し,法廷での証言のあり方について視覚的に学べるようにした。 2.犯罪心理鑑定に対する意識のあり方を知るため,弁護士を調査対象に調査を実施した。その結果として,まだまだ弁護士の中でも犯罪心理鑑定の認識が乏しく,鑑定結果をどのように活用すればいいのかといった戸惑いも少なくなかった。ただ,その調査において,犯行動機が理解しにくかったり,処遇について悩んでしまうケースを担当した際,犯罪心理鑑定を心理職にしてほしいとの需要がかなりあることもわかった。そこで,法曹関係者と心理職が連携をしやすい組織作りとして,一般社団法人司法心理研究所を設立した。 3.日本における裁判員裁判と諸外国の陪審員裁判等を比較するため,アメリカとフランスの法廷を傍聴し,実情を知るために裁判官や弁護士に調査を実施した。そして,犯罪心理鑑定人と類似性の高い職種であるプロべーション・オフィサー(Probation Officer)やミティゲーション・スペシャリスト(Mitigation Specialist)にインタビューするため,アメリカのシアトル市を訪問し,その仕事内容と役割,現状と課題,今後の展望などについて調査した。そこでの面接手法やシステムのあり方も犯罪心理鑑定の参考にした。
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Research Products
(8 results)