2019 Fiscal Year Annual Research Report
A clinical psychological study on the illness experience and factors related to it in breast cancer survivors
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16K04402
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
駿地 眞由美 追手門学院大学, 心理学部, 准教授 (10388217)
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Project Period (FY) |
2017-02-23 – 2020-03-31
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Keywords | PTG / ボディイメージ / 病の不確かさ / 心理的well-being / 心理的適応 / 身体との受容的信頼関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、乳がん罹患後の「心理的成長(PTG:posttraumatic growth)」「心理的well-being」「心理的適応」「身体との関係」に着目し、計3回のweb調査を行った。 まず、ボディイメージの観点からPTGとQOLの関連を理解するための調査を行った。それにより、女性乳がんサバイバーのPTGの様相が明らかになったほか、PTGとQOLは直接的な関係にはないが、ボディイメージがそれらに媒介的に関わって互いを促進する可能性があることなどが示され、乳がんサバイバーの病の体験過程におけるボディイメージの重要性が示された。 次に、再発・転移への懸念を含めた「病の不確かさ」が乳がんサバイバーが病とともに生きるプロセスにおける大きなテーマであると考え、PTGおよびボディイメージとの関連について調査した。結果、一見ネガティブとも思える病の不確かさの状態が、PTGを促進すること(つまり、病と共に生きる過程でのポジティブな変化の契機になりうること)、病の不確かさは、直接的にはボディイメージに負の影響を及ぼすが、PTGを経由して間接的に肯定的ボディイメージを高めうること、その時にサポート認知の程度が重要であることが示された。 三つ目の研究では、身体への意識と態度に焦点を当て、それと心理的well-beingや心理的適応との関連について調査した。結果、がんに罹患したことのない女性に比べて乳がんサバイバーの方が、自己を受容し、人生における目的を見いだしていると感じていることや、乳がんサバイバーにおいては、身体との受容的信頼関係が強いほど心理的well-beingが高く、がんへの心理的適応が良いこと、外面的身体や体の調子への囚われが強いほど、うまくやれないでいる感覚が強いこと、夫婦の愛情関係が身体との受容的信頼関係やがんへの心理的適応を直接的・間接的に支えていることなどが示された。
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