2016 Fiscal Year Research-status Report
状況的学習をもちいたソーシャルスキル向上プログラムの提案と効果検証
Project/Area Number |
16K04416
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
命婦 恭子 西南女学院大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00412338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 大介 北九州市立大学, 文学部, 教授 (10285455)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 状況的学習 / ソーシャルスキル / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、状況的学習という視点から、ソーシャルスキル習得のために市場という社会資本で実際に行われている対面コミュニケーションに参加するプログラムを提示する。本プログラムによりソーシャルスキルの習得が期待される対象者は、①プログラム参加者である子育て中の親、②プログラム参加者である子ども、③プログラム実施者である学生の三者である。初年度では、第一にプログラム参加親子のコミュニケーション行動を観察し、その変容をとらえるとともに、セッション内容との関連について考察することを目的とする。 2016年度には、12回のプログラムを実施した。参加者の様子は、スタッフとして参加している学生による観察と画像・映像で記録されている。プログラム内容は、ワークショップ形式9回、講演形式3回であった。ワークショップ形式のうち、子どもが主に作業をする形態(子ども中心WS)が2回、親が主に作業をする形態(親中心WS)が4回、親子で合奏や合唱をする形態(音楽)が2回であった。学生が講師として実施したプログラムは3回で、そのうち2回は同一の学生グループが実施しており、子ども中心WSと音楽であった。親中心WSのうち3回は食品の調理や加工であり、作業後には親子で楽しめる内容になっている。どの回でも、子どもが興味を持った場合には作業への参加は妨げなかった。 このようなプログラム内容と、参加者の行動の変容を分析することが2016年度の課題である。しかし、参加者が2から3組程度の親子にとどまる回がほとんどで、それぞれの行動変容を分析するための量的なデータを採取することは難しく、質的な記録を蓄積するにとどまっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラムの実施とその効果測定において、現在の問題点は、参加者の少なさにある。プログラムは2014年度から開始し2016年度で3年目であったが、参加者が増えていない。そのため、参加者の行動変容について分析するまでに至っていない。ただ、少数ながら定期的に参加している親子がいるため、定着はできているといえる。そのため、2016年度に蓄積されている観察記録などから、質的な変化を分析していくことが今後の課題となる。 また、参加者によるプログラム内容や企画の提案には至っていない。これについては、少数ながら定期的に参加しているメンバーがいることから、2017年度には、実施できるように計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラム参加者のリクルートが大きな課題であり、そのための方策が必要である。一つは、活動そのものを周知するためのパンフレットの作成と配布を計画している。2つめは、地域の子育てサークルや市民センターでの活動との連携である。既存の団体と連携することで、参加者の大幅な増加が期待できる。3つめは、現在参加している親子の周辺の親子への広報活動である。居住地や子どもの年齢など、プログラムに参加しやすい条件があると考えられるため、それに合わせた広報活動が有効であると考えられる。
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Causes of Carryover |
データ分析などのために見積もっていた人件費が未使用であることと成果報告のための出張費が当初計画より低く抑えられていることが大きな理由である。また、プログラムの参加者が計画より少なかったため、消耗品費も計画より低くなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
参加者募集のためのパンフレットの作成や配布のために新たに予算を計上する必要がある。また、プログラム実施のための事務的な補助や、研究におけるデータ整理などのために研究補助を選定し、作業を進めることを計画している。
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