2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cognition and evaluation of various spaces based on body, emotion and Kansei evaluation
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16K04427
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 佳世 九州大学, 人間環境学研究院, 特任研究者 (60239176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健太郎 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (30727087)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体 / 空間-感情連合 / 運動経験 / 処理流暢性 / ミニチュア効果 / 絵画空間 / 感性印象 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体、感情、感性評価に基づく多様な空間の認知や評価を実証的に検討する課題の3年目として、1)空間と感情の連合における身体の影響、2)写真空間における大きさ・距離知覚とリアリティ判断の錯誤(ミニチュア効果)に関する実証研究を行い、それぞれ学会発表などを通して成果を公表した。また、3年間のまとめとして、3)絵画空間におけるさまざまな印象や感情とそれをもたらす知覚的・認知的要因を分析した書籍の刊行、4)視点と身体による空間認知と感性認知を議論する研究会の開催を行った。詳細は以下の通りである。 1)左右空間と感情の連合における運動経験の影響を調べるため,VR環境を用いた実験用プログラムを開発した。また予備実験として先行研究の追試を行ったところ,右利きの参加者では右側にポジティブ,左側にネガティブな対象を配置するという結果が再現され,運動経験にもとづく処理流暢性の影響があることが示唆された。 2)実景を写した写真がミニチュア模型を写したように見える写真のミニチュア効果に関し、色彩要因に焦点を当て、彩度と明度を変数にミニチュア感の強さを測定した。その結果、高彩度・低明度になるほどミニチュア感が増すことが示され、結果を、彩度に基づく距離と大きさの知覚、ならびに高次のリアリティ認知の両観点から考察した。 3)絵画空間における感情や感性に及ぼす効果を、多様な知覚・認知的観点から考察を行い、中間報告として「視覚心理学が明かす名画の秘密」(岩波書店)、「美感:感と知の統合」(勁草書房)などの書物にまとめた。 4)視点、身体、運動という切り口から、空間認知や感情・感性評価を考える研究会を開催し、知覚・認知・比較認知の研究者4名による発表をもとに、公開の場で議論を行った。
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