2018 Fiscal Year Annual Research Report
Practical research on cognitive evaluation and developmental support for disabled children using human sensing technology
Project/Area Number |
16K04439
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Research Institution | Hijiyama University |
Principal Investigator |
吉田 弘司 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (00243527)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 重度心身障害 / ヒューマンセンシング / 認知機能評価 / 発達支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度研究においては,前年度に引き続き,子どもの身体の動きをアニメのキャラクタに与えて遊ぶ課題を開発した。これを,運動障害をもつ障害児を4方向から強力なゴム紐で引っ張ることで重力の負荷を少なくして理学療法を行うスパイダーという装置を使った治療の中で活用し,子どもの動機づけを高めるために利用した。また,同じプログラムを,大学生を対象としたボディイメージを調べる実験に応用した。我々は体操やダンスの見本を真似るとき,対面するモデルが鏡映(左右が逆)の動きをする方が模倣しやすいが,実験を行ってみると,健常成人であれば60度斜めから身体像を観察する場合は,対面側から観察していても,右手と右手,左手と左手が対応している方が身体を動かしやすいことがわかった。今回開発したプログラムは,他者の動きを模倣するのが苦手な発達障害児において,このようなボディイメージの特性を評価したり訓練できる課題として活用できる可能性が示唆された。 また,視線のセンシングを活用して,絵本型の教材を電子化して視線に反応するシステム(e-hon)を開発した。これを重度障害児の支援施設で行われている絵本の読み聞かせ時に用いることで,療育者に子どもがどこを見ているのかを示して子どもとのインタラクティブな対話を可能にしたり,子どもの視線にキャラクタが反応することから,子どもの注意をより引きつけるために利用した。 さらに,自閉性の発達障害児でしばしば問題となる他者の視線や表情の認知を評価するために,仮想現実技術とコンピュータグラフィックスを応用したソフトウェア・ロボットを開発した。このロボットは,視線や表情をプログラムによって自由に制御できることから,発達障害児の対人コミュニケーション場面を想定したさまざまな評価や訓練に利用できると期待され,本研究の終了後も改良を加えながら応用の可能性を探る予定である。
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Remarks |
本研究で開発したプログラムの一部について無償公開している。
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