2019 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of dispositional optimism on encoding processing: investigation with false memories and self-choice effect
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16K04440
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
鍋田 智広 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (70582948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 史典 山口大学, 教育学部, 准教授 (90549510)
中井 靖 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (80462050)
具志堅 伸隆 東亜大学, 人間科学部, 教授 (10449910)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 楽観主義 / 特性的楽観主義 / 虚偽記憶 / 符号化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究の成果 具体的内容 最終年度では,特性的楽観主義を介入によって促進する検討を行った。具体的には,将来の目標を記述させる手法を実施し,その結果として特性的楽観主義が高まることを示した。この研究成果は,2020年3月の日本発達心理学会第31回大会 (大阪国際会議場) で学会発表し,加えて九州女子大学学術情報センター研究紀要に論文として発表した。 意義 特性的楽観主義は,学習活動など目標をもって取り組む活動を促す個人差変数とされている。2019年度に実施した研究では,特性的楽観主義が4日間の実践を行うことで改善したことを示した。この研究成果は,本研究で実践した手法を通じて学習活動などの目標をもつ取り組みを促す手法の開発に裏付けを示したことに意義があると考えられる。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果 具体的内容 本研究課題では実験的処遇によって特異性処理を高め,虚偽記憶が減少されるかどうかを検討した。その結果として補足的文章の追加によって虚偽記憶の減少がみとめられたものの,自己選択課題において減少は認められなかった。また,特性的楽観主義による虚偽記憶の減少効果の差異を検討したところ,仮説が支持された。すなわち,特性的楽観主義の高い参加者では補足的文章追加による虚偽記憶の減少が認められた一方で,低い参加者においては,虚偽記憶の減少は認められなかった。また特性的楽観主義は介入によって促進されることが認められた。 意義 本研究課題では複数の実験を実施し,特性的楽観主義の高い参加者は,正確に記憶を判断することに優れることを示した。これらの研究成果は,特性的楽観主義が高まることによってポジティブ幻想,すなわち虚偽記憶が増加するわけではないことを示しており,特性的楽観主義の認知的特性についての重要な意義を持つと考えられる。
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