2017 Fiscal Year Research-status Report
J.デューイ教師教育体制の解明と教職課程の質的水準向上のための理論構築
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16K04459
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 敦美 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80387315)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育学 / 教師教育 / 教員養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
19世紀末から20世紀初頭のシカゴ大学教師教育カリキュラムの分析を行うことにより、デューイが構築した教師教育体制を明らかにし、今日の日本の教職課程の質的水準の維持向上に資する理論枠組みを構築することを目的として研究を進めている。 平成29年度は、デューイが学科長を務めた1895~1901年度及び教育学部長を務めた1902~1903年度にシカゴ大学の他学部・他学科で開設された教職向けの教科専門及び教科の指導法に関する科目の分析を行い、「専門教科に関する科目」と「教育学に関する科目」の比較検討を行った。 1895~1901年度の教育学科においては、「教育学に関する科目」は教育学科で開講され、「専門教科に関する科目」のうち教科専門科目は他学科、教科の指導法に関する科目は教育学科及び他学科で開講されていた。1902~1903年度の教育学部においては、初等教員養成課程においては、「教育学に関する科目」、「専門教科に関する科目」の教科専門科目及び教科の指導法に関する科目の全てが教育学部において開講されていた。中等教員、師範学校教員養成課程においては、「教育学に関する科目」は教育学部で開講され、「専門教科に関する科目」のうち教科専門科目は他学科、教科の指導法に関する科目は教育学部及び他学科で開講されていた。教育学部においては、初等教員養成課程は教育学部において行い、中等以上の教員養成については教育学部と他学科が連携して行う体制であったことが明らかになった。この研究成果は2017年日本デューイ学会において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は国内で入手可能な諸資料を収集し分析・検討を行ったことから、当初の計画で予定していた国外における資料収集までには至らなかった。そのため、予定より資料収集及び分析が遅れている。平成29年度に必要な資料の選定及び所在の確認は済んでいることから、平成30年度に資料収集を行い、諸資料の分析・検討を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
デューイが学科長を務めた1895~1901年度及び教育学部長を務めた1902~1903年度の教師教育のための学内組織及び教員スタッフの調査分析、シカゴ大学教育学部の整備拡充のためにデューイがモデルとしたコロンビア大学ティーチャーズ・カレッジにおける「専門教科に関する科目」のカリキュラム分析を行う。平成28~30年度の調査分析結果に基づきデューイ教師教育体制の特徴の明確化を行い研究成果報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度は国内で入手可能な諸資料を収集し、分析・検討を行ったことから、当初予定していた国外における調査及び資料収集までには至らなかった。そのため、当初の予算より旅費の資料が少なかった。 (使用計画) 調査及び資料収集に伴う旅費、資料コピー代、調査に必要な物品の購入費として使用する。
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