2016 Fiscal Year Research-status Report
大学間共同の高大連携と評価手法の開発研究による高大接続入試への提案
Project/Area Number |
16K04462
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大久保 貢 福井大学, アドミッションセンター, 教授 (80260561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古閑 義之 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (20338429)
田上 秀一 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40274500)
森 幹男 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (70313731)
雨森 聡 静岡大学, 全学入試センター, 准教授 (80549692)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ルーブリック評価 / 高大接続入試 / 課題探究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は本研究のフィールドである福井県下の高校と大学の協働およびもう一つのフィールドである静岡県下の高校と大学の協働による新たな高大連携のあり方とそこでの学習成果に基づく多様な能力を多面的・総合的に評価する手法の研究開発(評価基準の確立と共通化)を行うと共にそれを通して高大接続型入試への提案を行うことである。 初年度(平成28年度)は研究分担者らが主催した静岡県高大接続システム改革シンポジウム「多面的・総合的評価の入学者選抜への導入」において、研究代表者が「福井大学の取り組み~高大接続改革~」と題して講演を行い、静岡県内の高校関係者や大学の関係者と今後の入試改革のあり方について意見交換を行った。 また福井県では研究代表者が中心となって福井県内外の5校の高校生19名を対象に「情報工学分野」の課題探究プロジェクトを実施した。課題探究の実践で培った多様な学習成果を研究代表者が開発したルーブリックにより高校教員、県教委職員および大学教員が評価を行った。この評価結果を基に参加した生徒に対して「実践証明書」を発行した。 一方、静岡県では研究分担者が中心となって静岡県内の高校4校12名の高校生を対象に「機械工学分野」の課題探究プロジェクトを実施した。そして課題探究の実践で培った多様な学習成果を研究分担者が開発したルーブリックにより高校教員および大学教員が評価を行った。研究代表者および研究分担者が開発したルーブリックに関して評価の信頼性や評価疲れが指摘された。 今後、ルーブリック評価方法の確立および共通化を目指して議論を進め高大接続型入試の開発を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(平成28年度)の研究計画は本研究のフィールドである福井県下の高校と大学の協働により高大連携・課題探究プロジェクト委員会を設立し課題探究プロジェクトを実施し、その評価結果を参加者にフィードバックすることともうひとつのフィールドである静岡県下の高校と大学との協働により探究プロジェクトを実践することである。 研究代表者が中心となって福井県において高校教員と大学教員による高大連携・課題探究プロジェクト委員会を設立した。そして福井県内外の高校生を対象に工学系の課題探究プロジェクトを実践し、この実践で培った多様な学習成果を自ら開発したルーブリックにより評価し、その結果を参加者にフィードバックした。一方、研究分担者が中心となって静岡県下の高校と大学との協働により機械工学分野の課題探究プロジェクトを実践し、研究分担者が開発したルーブリックにより多様な学習成果を評価した。 以上のように研究代表者と研究分担者が連携し福井県と静岡県において課題探究プロジェクトを実践し、その実践で培った多様な学習成果をルーブリックにより評価している。これらの取り組みにより本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は下記の3点である。 1点目:研究代表者のフィールドである福井県内での課題探究プロジェクトと研究分担者のフィールドである静岡県内での課題探究プロジェクトを継続実施し、ルーブリック評価結果の蓄積を行う。 2点目:福井県、静岡県合同の評価手法検討委員会を設立し、ルーブリック評価の確立および共通化の検討を行う。 3点目:課題探究プロジェクトでのルーブリック評価結果が大学入試の選抜方法の一部に活用できるか可能性を探る。
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Causes of Carryover |
常に節約を考慮しながら科研費を使用したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の使用計画は、平成29年度の研究において高大連携活動に有効にかつ適切に使用する予定である。
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