2017 Fiscal Year Research-status Report
20世紀初頭米国のスクール・ソーシャルセンターにおける道徳教育としての市民性教育
Project/Area Number |
16K04496
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 隆之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60288032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健市郎 関西学院大学, 教育学部, 教授 (50229887)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 進歩主義教育 / 市民性教育 / 道徳教育 / スクール・ソーシャルセンター / C.A.ペリー / J.デューイ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、ニューヨーク市にあったコロンビア大学教員養成系大学院付属校ホーレスマン・スクールを対象として、市民性・道徳教育について考察した。とくに新教育の影響を受けて新設された、「ニューヨーク市学習」という単元に注目した。「ニューヨーク市学習」における、警察、消防署、市役所、電力会社、移民局、ミュージアムといった公的諸機関と連携した学習活動について精査し、同校で行われた市民性・道徳教育について実証的に解明した。 また、スクール・ソーシャルセンターにおける道徳・市民性教育関連文献を収集して読解する作業を継続した。本研究に不可欠な文献はほぼ入手できた。 デューイのソーシャル・センター論についても、道徳・市民性教育を中心として考察を開始した。“School as a social centre”(1902)を軸に、『学校と社会』、『明日の学校』、『デモクラシーと教育』などを分析して、ソーシャルセンターとしての学校に期待される役割や機能について考察した。 研究協力者は、これまでの成果を、「社会センターとしての学校の機能転換―ペリーの校舎開放運動から近隣住区論へ―」としてまとめ、主に一次集団による道徳教育について解明した。それを通して、スクール・ソーシャルセンターの概念の変容や類型についても論じた。一口にスクール・ソーシャルセンターといっても、ソーシャルセンターとスクールセンターの二つの意味があることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スクール・ソーシャルセンターの全体像や、道徳教育・市民性教育に果たした役割を理解する作業がまだ残っているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記の課題を早期に終了させ、当初の予定通り研究を進める。その成果は学会などで発表し、年度末には報告書を公刊する。
|
Causes of Carryover |
2016年度後半にサバティカルでアメリカに滞在できたため、渡航費や滞在費を使う必要がなくなった。その分を2018年度のアメリカ出張費に回す。
|