2018 Fiscal Year Research-status Report
大学教養科目の大人数授業におけるペアワークの試みとその有効性の検証
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16K04504
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
大矢 芳彦 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (30175252)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | ペアワーク / 大人数授業 / スマートフォン / 教養科目 / 大学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度(2017年後期)に受講者数100名の応用科目(2年生以上対象)の授業「地球環境と災害」2クラスにスマートフォンを利用したペアワークの実践授業を試みたが、今年度(2018年後期)はこれに改良点を加え、ほぼ同様の実験授業を行った。大きな改善点は2点で、ひとつはペアの相手をできるだけ初対面の学生にしたこと、もう一点は、課題の問題に工夫を凝らし、よりペアが相談できるようにしたこと、である。ペアの相手に関しては、昨年度はあらかじめ乱数によってペアを決めそれに基づいて座席を指定したが、昨年度のデータ分析から初対面ペア同士の方がペアワークの効果が高いということが推測されたため、今年度は座席指定の際、予め異なった学部や学科の学生同士がペアになるように改善を加えた。その結果、昨年度とほぼ同じような実験授業を行ったにもかかわらず、ペアの相手に対する満足度は向上する結果となった。また課題の設問に関しては、昨年度はペアワークの多くの時間を単なる解答の確認だけに終わったペアが多くみられた。このため問題にネットで調べないと答えられないものを加えることにより、ペアで相談しないと時間を要してしまう工夫をした結果、ペアワークの時間が増加し、それとともに発話数も増加して、ペアワークがより活発に行われたことが確認された。本研究の問題点として、総合成績の良い学生はこの授業方法に対する満足度が低く、総合成績の悪い学生はこの授業方法を好むこと、1セメスターで何回もこの授業方法を繰り返すことには反対意見が多いことなども明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年に40人でのプレリミナリーな実験授業を行い、2017年に本研究の目的である100名の大人数授業で実験授業を行い、本年度は2017年の方法を改善することによって、より学生にとって満足度が高く、教育効果も高い授業ができた。特に大きな問題もなく予定通りに研究は推移していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は最終年度であるため、これまでの3年間のデータをより詳細に分析し、できるだけ多くの国際会議および日本の主要関連学会で発表すると同時に、今後、多くの大学でこの授業方法を普及させるため3年間の成果を論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究協力者に対する出張費などが次年度使用額となった。その理由は研究協力者が自身の科研費で賄ったためである。 来年度は最終年なので複数の国際会議に積極的に参加する計画がある。そのための予算として使用する予定である。
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