2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K04507
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
安藤 輝次 関西大学, 文学部, 教授 (70143930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 義久 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (70734523)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 成長マインドセット / アクティブ・ラーニング / 現職教員 / 教員志望学生 / 社会科教育法 / ピア学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)成長マインド.セットのアンケート調査をA.現職教員、B.K&Sの2大学の教員志望者とC.S高校、D.N&Sの2小学校において実施し、AとBの集約によっておおよその傾向を把握した。また、CとDの小学生及び教員の比較によって、平成29年度の授業研究に役立てる情報を得た。(2)これらの学校での使用のためのマニュアル『アクティブ・ラーニングを学習評価するハンドブック』を作成して、K&S大学、S高校とN小学校での授業研究の共通理解を図ろうとした。(3)アメリカの文献を参考に『アクティブ・ラーニング50技法』を翻訳して、K&Sの2大学の教職科目の授業で使って、その使い勝手をフィードバックして修正加筆をした。 (4)S高校では、平成28年9月から11月にかけて主に教職経験3年以内の教員6名を対象にした集中的な授業研究を行った。(5)K大学における小中の社会科教育法の授業で上記ハンドブックを使った授業を行って、K大学教職センターの研究紀要にその成果と課題を論文にして取り纏めた。(6)S大学の教職科目においてペア学習を使った授業研究を行い、その類型の出現状況を明らかにするだけでなく否定的な類型をビデオフィードバックによって解消する方法の有効性を確かめた。 (7)平成28年9月には香港大学のケアレス教授を、平成29年3月にはロンドンで教員向けワークショップ(シャーリー・クラーク主催)に参加するとともにギボンズ市立小学校長を訪問し、平成29年度の招聘の打ち合わせを行い、いずれの訪問先においても複数の授業も参観した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の年次ごとの研究計画では、成長マインドセットのアンケート調査と高校の授業研究は、平成29年度に実施する予定であったが、9の「研究実績の概要」の(1)と(4)に示すように、平成28年度から始めている。また、(1)に示すように、当初予定のなかった現職教員の成長マインドセットのアンケート調査も実施している。 その他の進捗については、9「研究実績の概要」の(2)(3)(5)(6)(7)に示すように、申請時の研究計画通りに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の大きな修正点として、(2)のマニュアル『アクティブ・ラーニングを学習評価するハンドブック』については、平成29年度末に告示された新学習指導要領がアクティブ・ラーニングという言葉を使わずに、A.主体的学び、B.対話的学び、C.深い学びの3つの柱によって作成し直しを少なくとも5月末までに行う。 そして、S高校は協働研究体制を保ちながらも、小学校及び中学校に軸足を移して、授業研究を実施する。そして、ギボンズ校長先生は、平成30年2月に招聘し、上記の小中高で授業参観及び講演し、指導・助言を得る予定である。 K大学では、平成28年度インターネット上でルーブリック習得のための練習問題を実施したが、はっきりした教育効果を引き出すには至らなかったので、このシステムを改善して、再挑戦する。S大学では、ピア学習の類型に関する簡単な判別方法を探って導入するのか良いのか、あるいは頻繁にピア編成を変えるのが良いのかも含めて、ピアの活用方法に関する授業研究をしたい。なお、ケアレス教授は、平成29年4月末にK大学及びS大学を訪問し、講演及び研究交流を行っている。 そして、夏から秋にかけて、本研究成果の一部を学会発表する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の支出が少なかったのは、分担研究者の福本義久が、多忙を極めて、科研で予定した年度計画の一部の執行が難しくなったためである。というのは、勤務先のS大学で教職教育推進センターの副センター長を務めているが、2016年度に新しいセンター長となり、彼の仕事の一部をカバーせざるを得なくなり、多忙を極めてからである。それで、9月の香港出張と取りやめた。 また、彼の科研研究としては、大学での自分のペア学習・評価の授業研究のみ明確な成果を得ることができたが、協働先の小学校については、年度末に成長マインドセットの調査をようやく実施できた。そして、調査の集計その他の経費支出は、年度末のために申請できず、新年度に繰り越さざるを得なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分担研究者である福本義久は、前年度末の成長マインドセット調査の集計に要した謝金を支出しなければならない。福本は、科研の方法論である1・2・3方式を理解しているが、その中でしばしば使われるものの、その実情と教育効果が解明されていなかったS大学の授業におけるペア学習・評価の2016年度の研究が大きな成果を得たので、その方法・技術を(申請時には計画していなかった)小学校から高校まで適用し、そこでの消耗品(児童生徒の蛍光ペンやノート、糊やハサミその他)や出張旅費を支出し、各校種間の共通点と相違点を明確化する。 また、安藤も同様に、当初では予定していなかった小学校においても1・2・3の授業モデルを適用し、そこでの連続帯を描いて、校種間の共通点と相違点を確認したいので、上記の消耗品の他、出張旅費も新たに必要となる。
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Research Products
(1 results)