2017 Fiscal Year Research-status Report
保育者の離職から再就職に至るまでの自己形成プロセスと再就職支援プログラムの開発
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16K04527
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
香曽我部 琢 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (00398497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 就職活動 / 進路相談 / 認知的感情制御 / キャリア教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、2年目に当たり、基礎的資料をもとに都市部と地方のどのような保育者にインタビューを実施すべきか、対象者を検討した上で、選定した。インタビュー方法については先行研究をもとにライフライン・インタビューメソッド(Lif-line Interview Method)を検討をおこなった。 収集したインタビューによる言語データは、1次分析として定性データ分析で概念を抽出した。さらに、抽出された概念を概観しつつ、さらに2次分析として、自己形成プロセスに焦点を当てて分析方法について検討を行った。 具体的には、離職して保育職へ再就職しなかった潜在保育士に実施したインタビューデータを複線径路・等至性アプローチを用いて分析を行った。そして、潜在保育士になる際に保育者としての自己形成プロセスを「山脈的自己」と「発生の三層モデル」を用いて明らかにした。さらに、その結果と考察を含めて論文を発表した。 さらに、離職し、さらに保育職に再就職した保育士へのインタビューデータを分析した。そして、学会で発表することで精査を行った。とくに、再就職に至るまでの認知的感情制御に焦点を当てて、過去の就活・進学相談経験、保育者になる動機・志望理由への意味づけが変容している実相を明らかにした。 これらの分析結果をもとに、保育者という仕事について、高校生に情報を提供するために、高校生向けの保育者になるためのキャリア教育プログラムの枠組みを作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2年目の今年度中に、3年目に予定していた高校生向けのキャリア教育プログラムの枠組みを作成することができた。また、潜在保育士へのインタビューをもとに、保育者が潜在化するプロセスを明らかにして、その知見を論文として発行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、高校生向けのキャリア教育プログラムの精査を行うと同時に、養成校における幼稚園・保育園・こども園への就職活動に向けたキャリア教育プログラムを実施し、キャリア教育プログラムの教育的効果を保育者効力感などの心理的尺度を用いて実証していきたい。
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