2019 Fiscal Year Research-status Report
経営診断と品質マネジメントシステムの融合的公民館経営診断・評価技法の開発
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16K04528
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原 義彦 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70284825)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公民館 / 経営診断 / 質評価 / フォルケホイスコーレ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究作業は、公民館経営診断に必要となる公民館経営改善事例の分析、外国の成人教育施設の自己評価と質評価の分析、前年度の研究成果(雑誌論文)の英訳版の作成等を行った。 公民館経営改善事例の分析では、山形市立公民館、茅野市立公民館の調査を行った。この中で、公民館経営に経営改善事例の一つに、「公民館行事への参加者減少に対して、地域で行われる他の行事に公民館の企画を持ち込んで実施したことにより、子どもたちの参加がみられた」とするものがあった。これまでのリンケージ作成において、参加者の減少に対しては、事業の充実・刷新という改善手法が見られたが、本調査を通じて、改善手法の多層化に向けたリンケージ作成の視点を得ることができた。また、公民館事業の企画に関して、公民館経営の品質マネジメントに結びつく経営改善の事例も収集することができた。 外国の成人教育施設(国民高等学校)の評価については、フォルケホイスコーレ2校(ラナス、ロスキレ、以上デンマーク)、フォルクホッグスコラ1校(マルメ、スウェーデン)において、実地調査を行った。フォルケホイスコーレの自己評価は、各校で設定されている基本価値の内容を取り上げながら、学期ごとに行われている。例えば、ラナスのデザインを専門とするフォルケホイスコーレでは、物的側面、心理的側面、美的側面から教育環境に対する学生の充足状況を基にした評価が行なわれていることがわかった。マルメのフォルクホッグスコラの質評価は、フォルクホッグスコラ協会から示されている評価の枠組みをアレンジして行なわれていることを聞き取ることができた。 このほか、前年度にまとめた雑誌論文(「フォルケホイスコーレの基本価値の類型化と自己評価」)の英語版を作成した。これは、次年度、機関リポジトリにおいて公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
公民館の経営改善事例調査と分析が計画通りにならなかったことがある。そのため、経営診断の枠組みと品質マネジメントとの枠組みの接点を見出す分析に課題を残した。
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Strategy for Future Research Activity |
作成過程にある公民館経営診断のリンケージに品質マネジメントの視点を加え、経営改善と品質マネジメントの視点を入れた融合型リンケージを作成する。その実効性を検討するとともに、研究の総括と成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
主な理由は、外国調査では、他の科研費(研究分担者)によるものと日程を調整して行うことになったこと、使用していたPCの老朽化により新たなPCの購入が必要になったこと、研究成果の論文の翻訳が必要になったこと、などがある。次年度は、必要な文献資料の購入、調査、成果発表に使用する予定である。
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