2021 Fiscal Year Research-status Report
経営診断と品質マネジメントシステムの融合的公民館経営診断・評価技法の開発
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16K04528
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
原 義彦 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70284825)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 公民館 / 経営診断 / 質評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、公民館経営診断に必要となる公民館経営改善事例の収集と、これに基づいた経営診断のためのリンケージ構築作業、及び外国の成人教育施設の質評価に関わる分析を行なった。 経営改善事例の収集では、長野県内の公民館を対象に経営改善への取り組み、改善成果の有無、改善のための効果的な方法、公民館事業の質とその維持、向上等について調査をwebと質問紙を用いて行った。 これらの中の改善事例の一つに、「公民館の敷居が下げる取り組みとして、テーマを設けてゆるく語り合う講座『ゆる活』を実施したところ、公民館活動に参加していなかった人の参加が見られたり、気になるテーマがあれば参加したいという声を聞いた。」がある。この事例を用いた経営診断のリンケージを作成すると、「公民館の敷居が高い(診断名)」ー「新たな参加者の増加、新たな参加希望が生まれる(改善・整備による成果)」ー「ゆるく語り合う講座の実施(改善・整備の方策)」を考えることができる。また、図書室の改善事例から、「図書室の利用が少ない(診断名)」ー「図書室の新規利用者、貸出冊数の増加(改善・整備による成果)」ー「図書室を見やすくするための様々な工夫を細かい事でも実行する(改善・整備の方策)」というリンケージの作成を行なった。これらのリンケージに公民館の質に関わる部分をどのように内包させるかについては、公民館の質をどのようにとらえるかによるところがある。公民館の質の調査では、講座等のプログラム内容、公民館の施設、職員の資質等が挙げられた。これらの公民館の質の分析と類型化を行い、公民館の質の維持、向上につながるリンケージを作成することが今後の課題となっている。 外国の成人教育施設にみられる質評価の現状については、関連する文献、実施状況等に関わる資料等を入手し、その動向の分析と課題等の検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Web等による調査で経営改善事例の収集は進められたが、それらを補足するための公民館の実地調査ができなかった。また、事例を活用した経営改善の実験的調査、外国の成人教育施設の実地調査(補足調査)等は、計画に沿った実施ができなかった。これはコロナ下による理由が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでに収集した公民館経営改善の事例をもとに、品質マネジメントの視点を加えた経営診断のリンケージを提示する。その検証を行い、本研究の成果をまとめたい。
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Causes of Carryover |
経営改善の実験的調査、実地調査(補足調査)等は、計画通りの実施ができなかった。これはコロナ下による 理由が大きい。国内での実地調査は、状況を見ながら可能な範囲で行う。
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