2016 Fiscal Year Research-status Report
デンマークの教育改革-国民学校と職業教育の架橋の試み
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16K04530
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
谷 雅泰 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80261717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大宮 勇雄 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (10160623)
青木 真理 福島大学, 総合教育研究センター, 教授 (50263877)
杉田 政夫 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70320934)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デンマーク / 国民学校改革 / 職業教育改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年8月に実施されたデンマークの国民学校改革が、2015年8月の職業教育改革に連動するものであるということが本研究における仮説である。その実際を調査するために、2016年8月末から9月にかけて現地調査を行い、以下のような施設・機関を訪問調査した。シュボー国民学校、その付設の放課後クラブ、グランサクセ市の音楽学校など、放課後に生徒が過ごす社会教育施設、職業10年生クラス(EUD10)を持つ学校。 インタビュー調査の結果、次のことが明らかになった。制度改正により国民学校でのカリキュラムにもさまざまな変化・工夫が施されているが、そのことは一律に同じ修正が施されているわけではなく、それまでの各学校や市の改革を発展させたものになっていること。学校の滞在時間が長くなることにより、放課後クラブの活動への影響が懸念されたが、実際にはこれもそれまでの伝統を引き継いだ活動が行われていること、などである。訪問したシュボー国民学校があるグラッサクセ市における工夫についてもそのことが確認できた。 また、西地区若者支援センター所長へのインタビューにおいては、今回の国民学校改革がこれから後期中等教育改革へとつながっていく見通しも語られた。これからの研究テーマとしていく必要がある。 以上の調査を踏まえ、本研究テーマに関しては紀要論文2本を共同で執筆した。また、本年夏の公刊に向けて、これまでの研究内容を単行本の原稿としてまとめ、出版社に送っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、現地を訪問しての調査を行った。調査先も国民学校、放課後クラブ、職業10年生クラスなど、計画通りである。2ヶ月に1度以上の全体が集まっての研究会もほぼ全員出席で行っている。研究成果の発表も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度も秋に現地調査を行う。国民学校改革について引き続き現地調査を行うとともに、職業10年生クラスについては前年の調査が充分とは言えなかったため、より詳細な調査を行う。また、2017年度は2期目を迎え、すでに最初の修了生を出しているはずなので、その生徒たちの進路について調査をし、この新しい制度が成功しつつあるのかどうかを見極めたい。 研究成果の発表について、2017年夏に公刊する方向で原稿を作成し、すでに出版の準備ができている。
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Causes of Carryover |
本年度の現地視察の日程の直前に、研究分担者の一人のご家族に不幸が生じ、視察への参加がキャンセルとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地視察に本年参加していただくことで使用する計画である。
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Research Products
(4 results)