2017 Fiscal Year Research-status Report
地方環境研究所における学社融合ESD生涯学習カリキュラムの開発
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16K04540
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
降旗 信一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00452946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 由倫 群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (30450373)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中学生の学習支援プログラム / ESD塾 / 認知スキル習得 / 非認知スキル習得 / おもしろ実験 / 科学リテラシー / 環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究の結果、学校との連携が重要であることが明らかとなったため調査対象を学校との連携に重点的に取り組んでいる地方環境研究所として、東京都の環境研究所である「水素情報館東京スイソミル」と「東京都環境科学研究所」を所管する(公財)東京都環境公社 との連携事業を行った。ここでは次期学習指導要領や中央教育審議会が求める 「アクティブラーニング」や「社会に開かれた教育課程」としての課題に取り組む学校と地方環境研究所との連携の在り方を模索した。具体的には「水素情報館東京スイソミル」と「東京都環境科学研究所」との共同により、東京都府中市立府中第五中学校との連携による中学生向け「ESD塾」を立ち上げ、「不登校の生徒を含む中学生の学習支援プログラム」をESDの視点から認知スキル習得の支援として言語系科目(国語・英語・数学)の学習支援(補習活動)とともに、非認知スキル習得の支援(体験活動)として環境教育・自然体験などの学習支援を行うことで、中学生の学習支援の手法を開発すること」を目的とした。 一方、共同研究者においては、科学的なデータから環境問題を冷静かつ客観的な態度で捉えるための素養を評価するために、PISA調査における科学リテラシーの質問項目を取り入れたアンケート様式を開発して、これを高校生の環境教育に際して試行した。世界的に見た日本人の特徴は、知識やスキル等の科学リテラシーは高い一方で、それらを活用しようとする態度が低い点が問題視されている。しかし、地環研環境教育の受講者は、科学に対する態度の項目が日本の平均値を若干上回る結果となったことから、この教育を通じて発生メカニズムが複雑な環境問題を科学的に理解できた経験が、科学への積極的な態度を養うことにつながる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究の結果、学校との連携が重要であることが明らかとなったため調査対象を学校との連携に重点的に取り組んでいる地方環境研究所として、東京都の環境研究所である「水素情報館東京スイソミル」と「東京都環境科学研究所」を所管する(公財)東京都環境公社 との連携事業を行った。具体的には「水素情報館東京スイソミル」と「東京都環境科学研究所」との共同により、東京都府中市立府中第五中学校との連携による中学生向け「ESD塾」を立ち上げ、「不登校の生徒を含む中学生の学習支援プログラム」をESDの視点から認知スキル習得の支援として言語系科目(国語・英語・数学)の学習支援(補習活動)とともに、非認知スキル習得の支援(体験活動)として環境教育・自然体験などの学習支援を行うことで、中学生の学習支援の手法を開発すること」を目的とした。2017年6月14日から2018年1月17日まで計22回毎週水曜日に学習支援を行う一方、非認知スキル学習支援者は、教職履修学生らによる、毎月第2日曜日午後に「おもしろ実験」行った。 一方、共同研究者においては、科学的なデータから環境問題を冷静かつ客観的な態度で捉えるための素養を評価するために、PISA調査における科学リテラシーの質問項目を取り入れたアンケート様式を開発して、これを高校生の環境教育に際して試行した。この教育を通じて発生メカニズムが複雑な環境問題を科学的に理解できた経験が、科学への積極的な態度を養うことにつながる可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実証的研究の成果として、学校現場と社会との連携及び協働としてのESD塾が果たす可能性として、1)学習者(中学生)が持続可能な開発の行動へと駆られるような、新奇性のある参加型教育及び学習の方法として期待できること、2)教職履修学生において教員になるために必要となる技能・資質を再確認できる場・体得できる場などの、新たな教員養成としての可能性があることが見出された。一方、「水素情報館東京スイソミル」と「東京都環境科学研究所」との共同により開発した「おもしろ実験」プログラムの検証についてはさらなる効果の分析が必要であり次年度以降の課題となった。 研究最終年度である次年度は、「ESD塾」のさらなる検証を行いつつ、「おもしろ実験」プログラムの検証について効果の分析を行いたい。また、PISA調査における科学リテラシーの質問項目を取り入れたアンケート様式を開発を引き続き進め完成度を高めていきたい。
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Causes of Carryover |
共同研究者の研究計画において予定していたアンケート調査の実施時期を変更した方がよいとの判断に至ったため予定していた使用額が今年度中に使用できず次年度使用額が生じた。このアンケート調査は次年度に実施する計画である。
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Research Products
(16 results)