2018 Fiscal Year Research-status Report
大学生のキャリア成熟の変容を考慮に入れた包括的キャリア支援プログラムの開発研究
Project/Area Number |
16K04541
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松井 賢二 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80199728)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | キャリア選択自己効力感 / 時間的展望 / キャリア成熟 / キャリア支援 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学における4年間の包括的キャリア支援プログラムの開発を行うことである。 4年計画の初年度(平成28年度)に実施した大学1年生対象の質問紙調査では、436人分の有効回答を得た。2年目の昨年度(平成29年度)は、初年度の有効回答者のうち、199人から調査の協力が得られたが、不備な調査用紙を除いた結果、最終的に有効回答者は190人であった。さらに、3年目の今年度(平成30年度)は、有効回答者として、113人(男子:36人、女子:77人)が得られた。 次に、データ解析を行った結果の一部をみてみる。本調査で取り上げた各変数について、二元配置分散分析(性別×学年)を行った結果、次のことが判明した。①「充実感」尺度の下位尺度「無気力」得点についてのみ交互作用に5%水準で有意差が認められた。つまり、男子の場合、2年次よりも3年次の方が「無気力」得点が有意に低いといえるが、女子にはその傾向は見られなかった。②「キャリア選択に対する自己効力感」についてみると、1)下位尺度「目標選択」得点は、女子よりも男子の方が5%水準で有意に高いこと、2)下位尺度「計画立案」得点は、1年次よりも2年次の方が5%水準で有意に高いこと、3)下位尺度「自己評価」得点は、女子よりも男子の方が5%水準で有意に高いことが認められた。③キャリア成熟「人生キャリアレディネス」についてみると、1)下位尺度「人生関心性」得点は、1年次よりも2年次の方が5%水準で有意に高いこと、2)下位尺度「人生計画性」得点は、1年次よりも3年次の方が5%水準で有意に高いことがいえた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、大学生を入学年次から4年間にわたって追跡して質問紙調査を実施するという縦断的調査が最大の特徴である。 4年計画の初年度(平成28年度)に実施した大学1年生対象の質問紙調査では、436人分の有効回答を得た。2年目の昨年度(平成29年度)は、初年度の有効回答者のうち、199人から調査の協力が得られたが、不備な調査用紙を除いた結果、最終的に有効回答者は190人であった。さらに、3年目の今年度(平成30年度)は、有効回答者として、113人(男子:36人、女子:77人)が得られた。 したがって、最終年度の4年目の調査協力者を比較的多く確保できる見通しができた、と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
4年計画の初年度(平成28年度)と2年目の昨年度(平成29年度)、および3年目の今年度(平成30年度)の質問紙調査に協力してくれた大学生(113人)を対象に、4回目の質問紙調査を実施する。一人でも多くの学生から継続して調査に協力してもらえるように、何度も連絡をしてお願いする予定である。 また、4回目の質問紙調査協力者の中から、キャリア成熟の程度によって学生を抽出して、大学生のキャリア形成過程を把握するためにインタビュー調査を実施する。 さらには、大学におけるキャリア形成支援の実態を把握するために、代表的な大学を訪問してインタビュー調査を行う。
|
Causes of Carryover |
主たる理由は、大学生に対するキャリア形成支援の実態を把握するために実施する予定であった、大学対象の調査が実施できなかったからである。次年度にこれを行う予定である。
|
Research Products
(1 results)