2020 Fiscal Year Research-status Report
大学生のキャリア成熟の変容を考慮に入れた包括的キャリア支援プログラムの開発研究
Project/Area Number |
16K04541
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松井 賢二 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80199728)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キャリア成熟 / キャリア発達 / 大学生 / 縦断的調査 / キャリア支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学における4年間の包括的キャリア支援プログラムの開発を行うことである。そのために、平成28年度より4年度にわたって、大学生を対象にした縦断的調査(質問紙調査)を実施してきた。有効回答者数は、1年目は436人(男子:194人、女子:242人)、2年目は190人(男子:72人、女子:118人)、3年目は113人(男子:36人、女子:77人)、さらに最後の4年目には101人(男子:31人、女子:70人)であった。 今年度は、昨年度までの研究を踏まえて、以下のとおり実施した。①4年間を通して、すべての質問紙調査に回答した101人の縦断的調査(101人分)のデータ解析(分散分析、重回帰分析等)を鋭意進めてきた。その際に使用した主たる変数と尺度は、1)キャリア成熟(「職業キャリア・レディネス尺度」と「人生キャリア・レディネス尺度」、両方とも坂柳(1996))、2)キャリア選択に対する自己効力感(「キャリア選択自己効力感尺度」(花井(2008)、下位尺度:自己評価、目標選択、計画立案、情報収集、意思決定の主体性度)、3)充実感(「充実感尺度」(辻岡ら(1993)、下位尺度:無気力、依存、責任感、時間的展望、理想拡散、存在肯定))、4)職業(労働)価値観(中西ら(1988))である。②全国の4年制大学では学生たちのキャリア形成をどのように支援しているのか、その実態をインターネットで調査し、その把握・理解と分析を進めてきた。③本研究に関連する国内外の先行研究(学術論文等)を継続的に収集し、その理解と分析を行ってきた。 今後は、上記のこれらの分析等をさらに推進して、最終的に4年制大学における包括的キャリア支援プログラムを開発したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、当初予定していた国内の大学に訪問して実施するインタビュー調査が実施できなかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
①2016年度より2019年度にかけて大学生を対象に実施した縦断的調査のデータ解析をいっそう進める。 ②本研究で扱う研究課題に関連した実践を行っている国内外の大学について、ホームページ等で関連情報を鋭意収集し、分析する。 ③研究対象者(大学卒業生)についてインタビュー調査等が可能であれば実施する。 ④本研究に関連する国内外の先行研究(学術論文等)について、さらに広く収集する。 ⑤以上の研究をまとめて、学術論文等で発表する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、予定していた大学へのインタビュー調査が実施できなかったから。 今年度も感染状況をみながら、可能であれば対面によるインタビュー調査を実施したい。しかし、不可能な場合には、対面によらない他の方法を模索したい。
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