2017 Fiscal Year Annual Research Report
個人化する若者に対する社会化支援における暗黙知の解明
Project/Area Number |
16K04564
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
西村 美東士 聖徳大学, 文学部, 教授 (90237743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 治彦 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (50188322)
土井 隆義 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60217601)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会教育 / 暗黙知の可視化 / 暗黙知インタビュー / 自立支援 / キャリア支援 / 個人化と社会化 / 技能分析 / 第3の支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象のベテランに対して、現場での言動の映像記録を細かく一時停止し、これを「証拠」として、「暗黙知インタビュー」を行うことによって、暗黙知の可視化を進めた。「インタビュー」においては、その言動(ときには表情)をインタビュアーが言語化してベテランに確認した上で、その言動の考え方、理由、判断基準、程度、他のケースの場合などを答えてもらい、その結果を技能分析表の右欄に書き込んでいった。そこで、若者のライフヒストリー、ライフスタイル、そこから生ずるニーズ、成長可能性を、適切に推察し、妥当性を確かめながら支援するという「暗黙知」を可視化し、「業務の概要と意義」、「特に難しい部分」と整合させながら右欄に書き込んだ。 一方、個人化する若者に対する社会化支援のわれわれの視点からは、研究代表者の所属する青少年研究会における調査結果に対する社会学的な考察結果について、再検討の必要性が浮かび上がった。その基底には、「若者の自立にとって不可欠な要素としての個人化」、「現代社会におけるアイデンティティ追求」、「社会化阻害要因としてのコミュニケーション充実強迫症」などのわれわれの研究関心がある。青少年研究会データの再検討の結果、次の4パターンを想定した。①自己主張抑制型:周りからの同化圧力に合わせて、自分の言いたいことを我慢する。②自己発揮型:社会で自分を発揮する。③自己追求型:自己を主観的に把握する。④自己拡大型:自己の活動分野を広げる。各パターン10個の質問肢を設け、6種類(アイデンティティ、自己概念、生活に対する基本的考え、対他者関係、職業意識、社会意識)に振り分けた。分析においては、各パターンの支援ニーズの特徴を明らかにしたい。 とりわけ、本研究において社会化支援、個人化支援のほかに、社会人か個人かを超えて、充実して生きるプロセスをたどるための「第3の支援」の存在を見出した意義は大きかった。
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Remarks |
表「若者の社会化支援のための評価尺度」添付
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Research Products
(1 results)