2017 Fiscal Year Research-status Report
社会関係資本の創出を想定した生涯学習におけるジェロントロジー教育
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16K04566
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
細江 容子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (30272876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 いずみ 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (20407216)
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
長崎 勤 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (80172518)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生涯学習 / ジェロントロジー教育 / 社会関係資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域社会において、人生90年時代の人生第4期というライフステージを想定した、生涯学習におけるジェロントロジー教育のプログラム開発を進め、生涯学習現場で役立てるための方法とそのシステムを構築・展開することであり、さらにその中で、柔軟で多様な社会関係資本を地域に創出することである。具体的には、University of Texas Health Science Center at San Antonio(UTSA)の協力を得て、最新のジェロントロジーに関わる情報を収集し、本学生活科学部教員の協力・共働の下、生涯学習場面でそれらを地域住民にわかりやすく翻訳・展開する手法を開発し、University of Pennsylvania(UPenn)等との研究協力で、多様な社会関係資本を地域に創出するための手法を開発することである。 研究の具体的目的は以下の内容であり、平成29年度は2)の実現に向けて研究・開発を行った。 1).Edward Ansello(VCU)等の協力により作成された学校教育におけるジェロントロジー教育理論の知見から、生涯学習に関わる理論枠組みとそれに基づく教材開発を進める。 2).知識の宝庫である大学・それを生み出す研究者、H市、その住民と共働し、その「知識」を 蒸留し「情報」を抽出、地域住民のためにわかりやすく翻訳した教育プログラム研究開発を行う中で社会関係資源を創出する仕組みを考案し、Linux の様なOpenSource 的アプローチで展開する。 3).さらに、教育に利用できるiPad のアプリ(Evernote、Paper、Goodreader、Bamboo Paper Notebook、iA Writer、SimpleMind、EasyBib)等を用いて、将来の生涯学習を見据えたジェロントロジーに関する教材開発を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度以降の計画と研究代表者及び研究分担者の具体的な役割は、平成28年度一部進めていた下記の2)の内容をさらに展開することである。 すなわち、 2)の知識の宝庫である大学・それを生み出す研究者、H市、その住民と共働し、その「知識」を蒸留し「情報」を抽出、地域住民のためにわかりやすく翻訳した教育プログラムの研究開発を行う中で社会関係資源を創出する仕組みを考案し、Linux の様なOpenSource 的アプローチで展開することを想定することである 昨年度の進捗状況に示した様に、2)の生涯学習におけるジェロントロジー教育のプログラムとその教材をさらに発展させる点に関しては、H市の高齢者住民の抱える問題は一部程度把握できたが、市との共同での本学で情報センターと共働によるLinuxの様なOpen Source 的アプローチでの展開のための研究・開発を進めるためには、さらなる人的・物的資源が必要であり、少ない予算で進めるための工夫が必要である。このため、平成 29年度は、ウェブ展開を目指し実際のセミナーの一部を地域住民を対象に大学で実施することを予定し実施を図るための課題として、高齢者がパソコン等を利用するスキルが重要であることが調査等から示され、H市高齢高齢者へのパソコン教室等を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、国家資格認定心理士にかかわる認定申請等の業務があり、生活心理専攻長としてのその役割や11コマという極端な授業負担を強いられる状況にあるが、研究最終年度であるので、ジェロントロジー教育プログラムの研究開発を行う中で社会関係資源を創出する仕組みを考案していく予定である。 課題として見えてきたのは、高齢者がインターネット等にアクセスすることが困難な状況であった。いかにしてその状況を打開し、教育プログラム等にアクセスしていくかが本研究の大きな課題であり、今年度はこの課題を解決する手法を編み出すことが必要である。高齢者向けのパソコン教室等の実施もその一つの手法である。 また今年度は、H市との共同・共働により科学研究費申請メンバーや海外の共同研究者の協力のもとに、国際比較調査(日本、韓国、台湾、アメリカ)、さらに地域でのセミナー等も予定している。国際比較調査においては、各国との調査・研究とその研究・分析結果に関する会議や国際会議での研究報告も予定している。
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Causes of Carryover |
平成29年度 は、科学研究費申請メンバーの所属する生活文化学科生活心理専攻の立ち上がりから4年目ということで、次にあげる学生教育等に関わる事柄により助成金の差額の問題が生じたと考えられる。①国家資格との関係での新たな講義の立ち上げ等での研究時間縮小の問題、②教科書等の執筆に関わる時間的問題、③学事日程において、UTSAとのセミナー、ワークショップへの参加が不可能になったこと、④日本の大学の夏季休暇、春季休暇が、UTSA,やUPennとの予定と合わずに、研究・教育が十分に行われなかったことある。 今年度は高齢者向けのパソコン教室等による高齢者のオープンスペースへのアクセス手法の開発、国際比較研究等の実施、新たな高齢者向け教育手法の開発、研究・調査票の印刷やコーディング、研究・調査やその発表のための旅費等に昨年度の研究費を充てる予定である。
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Research Products
(9 results)