2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative research of the new position and roles of local education administration in school governance between Japan and UK
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16K04575
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
清田 夏代 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (70444940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 裕子 専修大学, 文学部, 教授 (40208880)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英国 / 地方教育行政 / 学校教育 / ガバナンス / 教育改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
助成の最終年度に当たる平成30年度においては,日本の教育改革に重要な示唆を与えうる英国の実践家の知見を得るため,研究分担者の広瀬裕子氏とともにロンドンで研究調査を行なった。対象は,ロンドンの貧困地域ハックニー区の学校改革に校長として成功し,その功績により英国の教育水準局(Ofsted)の局長に任命されたマイケル・ウィルショウ氏である。それによりOfstedによる学校査察と指導,それが英国の学校及び学校教育制度全体に及ぼす影響等について直接聞き取りすることができた。その成果は日本教育政策学会第25回大会の公開シンポジウム「グローバル改革モデルと教育の効果検証システムー英国Ofstedの経験と日本の教育政策の路線ー」(平成30年7月7日,於専修大学,広瀬氏主催)において広く共有された。広瀬氏は上記の研究調査の結果を,論文「自律的地方教育行政を維持するための強制的介入支援政策ーロンドン・ハックニーの教育改革手法の子ども福祉領域への汎用化ー」(専修大学社会科学研究所『社会科学年報』第53号,2019年3月10日発行)として公表した。 研究代表者は,ウィルショウ氏に対する聞き取り調査から特に氏の校長としての学校経営及び学校改革の知見に研究課題を見出し,「学校のガバナンス」の実態と問題点を明らかにする研究を行い,それを,学会発表「新自由主義的文脈における学校リーダーシップに関する一考察ーリーダーシップ像の変質と今日的課題ー」(日英教育学会第27回大会,平成30年8月28日,於実践女子大学)及び論文「英国の学校ガバナンスにおけるリーダーシップ像の変容に関する一考察ー教育改革と校長の専門性をめぐる試論ー」(『実践女子大学教職課程年報』第2号,2019年3月)として発表した。これらの成果により,学校に対する地方教育行政の影響はむしろ後退し,民間依存の状況が高まっていることが明らかになった。
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