2016 Fiscal Year Research-status Report
一貫教育の教育効果検証に関する開発研究-小中一貫教育、中高一貫教育を対象として-
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16K04580
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
工藤 文三 大阪体育大学, 教育学部, 教授 (30231096)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中高一貫教育 / 教育課程 / 教育課程の特例 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は一貫教育のうち、中高一貫教育校を対象に、調査と資料収集、教育実践と教育効果の関係の把握を計画としていた。年度内に実施したことは次のとおりである。 (1) 質問紙調査の設計と実施(中等教育学校、併設型中高一貫教育校) これまでの先行諸調査で実施されていない教育課程の特例の活用実態を把握するため、次の項目を中心に質問紙調査を作成した。①教育課程の特例の活用の有無、②実施した活用の種類(内容の一部の前期-後期間の移行、一部の内容の入れ替え、中学校選択教科・高等学校学校設定科目・教科の拡充措置)、③特例に該当する教科・科目と内容。これらの内容を把握すべく、中等教育学校31校、併設型計43校に調査を実施、それぞれ16校、23校から回答を得た。調査の結果は、分析整理中であるが、特例の活用は中等教育学校に多いこと、また、特例の内容は内容の一部移行が多いことが分かった。 (2) 各学校の取組概要に関する資料の収集 (1) の調査と合わせて質問紙調査対象校から学校の取組概要等に関する資料の収集を行った。 (3) 特色ある取組の把握 (1) 及び(2) の資料等から、中高一貫教育の制度の広がりが進むにつれて、例えばSSHやSGH、探究的学習、思考力・判断力を重視した教育実践等、特色ある取組を展開する学校が増加していることが把握できた。中高一貫教育の制度と特色ある教育課程を組み合わせることの効果を確認することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画のうち、中高一貫教育に関連する諸資料の収集、新たな質問紙調査については、概ね計画どおり実施している。また、特色ある取組事例についての資料の収集と整理についてもほぼ達成している状況である。今後の課題は、各学校の設置以降の教育活動の推移の把握、各学校が教育目的と成果をどのように捉えているか、教育成果把握の方法等について、さらに整理することである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、次の点をさらに進めることとしている。第1に、一貫教育の中で、中高一貫教育の持つ特性や課題を把握し、整理することである。次年度以降の研究課題としている小中一貫教育との違いや特色、共通性等を、教育目的、教育課程、教育実践、教育効果測定等の観点から明確にしていく。特に中高一貫教育の場合、進路達成が主要な課題にされることが多く、この点が中高一貫教育にどのように影響を与えているか、この点も含めた研究を進めていく。第2に、得られた資料・情報等から、各学校の取組を規定している諸要因、諸条件等について抽出可能な範囲で明確にする作業を進める。
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Causes of Carryover |
中高一貫教育校への質問紙調査を実施するとともに、各学校の概要や教育実践に関する資料を収集したが、それらの詳細な分析までは実施できず、次年度に持ち越して実施することになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問紙調査の結果の整理と入力及び関係資料の整理等にかかる用務に宛てる計画である。
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