2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K04589
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Research Institution | Kunitachi College of Music |
Principal Investigator |
林 浩子 国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (00587347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 恵子 玉川大学, 教育学部, 教授 (80287812)
宇田川 久美子 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (90513177)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二人称的アプローチの関係構造 / 「二人称的かかわり」の理論的検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は以下の3点を中心に保育における「二人称的かかわり」に関する理論的検討を行った。 ①鯨岡(1996, 2006)の間主観性の概念とレディ, V(2005)の「二人称的アプローチ」を比較、検討しながら、保育における「二人称的アプローチ」の意味と有用性について文献から検討を行った。また、フィールドワークを行い、保育における子どもへの「二人称的アプローチ」の場面を収集すると共に事例の検討を行い「二人称的アプローチ」の意味の理論構築を行った。 ②「子どもと世界の二人称的かかわり」について、イタリアのレッジョ・エミリア市の乳幼児施設の研修に参加する共にフィールドワークを行い、ここでのデータをレッジョ・エミリア市の乳幼児教育思想の中心となる“The Pedagogy of listening”(Vecchi, V. 2010)の「対象の声を聴く」「対象との対話」という視点で、特にモノとのかかわりに視点をあて、子どもとモノと二人称的かかわりについて理論的考察を行った。 ③「子どもと世界との二人称的かかわり」における「よさ」(村井,2013)(「心地よさ」とともに「望ましさ」)の実感をどのように生み出し、また、「よさ」の実感が 「子どもと世界との二人称的かかわり」を支えていくことの理論的考察を行い、「子どもと世界との二人称的かかわり」の営みの意味を明らかにした。さらに、「子どもが二人称的にかかわる世界」への「保育者の二人称的かかわり」の二人称的かかわりの二重構造について「よさ」(村井, 2013)を基盤とした「望ましさ(倫理的善)、公正さ」が生まれていくプロセスを、佐伯(前掲書)の「学びのドーナッツ論」を手がかりに考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究実施計画に基づき、定期的な研究会の開催、イタリア、レッジョ・エミリア市の乳幼児教育の視察、乳幼児施設のフィールドワークの実施と事例のまとめと検討を行い、着実に研究を進めている。 そして、上記の研究内容について、学会発表(国内、国外)を行った。また、本年度の研究成果について学術書としてまとめ平成29年度内に出版予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究実績の概要にあげた、③子どもと世界との二人称的かかわり」における「よさ」(村井,2013)(「心地よさ」とともに「望ましさ」)の実感と、それを支える保育者の二人称的かかわり」の二人称的かかわりの二重構造についてをさらに進め、 保育の場における「二人称的かかわり」を基盤とした三人称的世界の検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
メンバーのうち、一人が28年度に計画していた物品(パソコン)を28年度中の予算内で購入することができなかったため、29年度の予算と合算して購入することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に購入する予定である。
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