2017 Fiscal Year Research-status Report
園内における保育士の専門性発達モデルの構築と園内マネジメントのあり方に関する研究
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16K04590
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Research Institution | Senzoku Junior College of Childhood Education |
Principal Investigator |
井上 眞理子 洗足こども短期大学, 幼児教育保育科, 准教授 (40739182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 哲人 帝京大学, 高等教育開発センター, 助教 (70571884)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 組織マネジメント / 保育士のキャリア / 管理職の力量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題である「園組織が保育士の成長をどのようにマネジメントするのか」に沿って、平成28年度の研究を基礎として現場をより詳細に分析することを試みた。具体的には①平成28年度に実施したインタビュー調査のデータ分析から、保育士の成長に影響を与える組織内の人的環境を質的分析手法を用いて分析した。 また待機児解消の施策に伴い、新たな保育施設を開設する自治体において、保育の量の拡充にとどまらず質を確保する取り組みに関わる中で、園長のなり手不足や経験不足によるマネジメント層の希薄化が進んでいる実態から、②組織マネジメントに関する管理職層の理解と力量、それを支える学びの現状について調査した。保育士の成長のために必要な学びや研修の分析や開発と共に、マネジメント層に必要な学びや研修の課題を詳細に捉える必要があることがわかっている。前述した新任のマネジメント層が抱える課題や組織マネジメントのつまづきの分析をさらに進めることが今後の課題となる。 さらに、保育士の成長という観点では、保育士等キャリアアップ研修が実施され、園内で構築するキャリアパスと連動した形で研修計画を立てることが保育所保育指針の改定でも明示されており、マネジメントに期待される役割が増幅していくことが予測される。この点を含め、本研究課題が包含する保育士の成長や組織マネジメントのあり方の問題は、現代の保育現場における喫緊かつ重大な研究テーマであることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では平成29年度内にアンケート調査を実施する予定であったが、これまでのインタビュー調査の分析から得られた質問紙の項目整理に加え、保育士等キャリアアップ研修など、新たな制度が展開されている現状を視野に入れるという内容が加わったために、質問紙の内容を再検討している。そのためアンケート調査が平成30年度の実施となった点で遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は全国規模のアンケート調査を実施し、その回答を分析する。本研究の主題である「園内で保育士が成長する組織要因」を精査し、特に保育士等キャリアアップ研修や園内でのキャリアパス構築に現場としての課題を洗い出し、保育士のキャリアを支援するために実践的な組織マネジメントの在り方や、管理職のための研修内容を検討する。
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Causes of Carryover |
全国規模のアンケート調査の実施を当初平成29年度を予定してたところ、平成30年度の実施と変更し実施する。
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