2017 Fiscal Year Research-status Report
学習成果の社会的活用の促進と人材の顕在化を目指すeポートフォリオの発展的活用研究
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16K04592
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Research Institution | Information and Research Center for Learning |
Principal Investigator |
柵 富雄 公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター, その他部局等, 研究員 (70470101)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / 学習成果活用 / 地域人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習成果の活用を促進するeポートフォリオの発展的活用研究として、平成29年度は国内の事例調査、学習成果活用相談の試行評価を行った。また、これらの実践に向けた研究会を開催した。なお、マイナンバーカードの活用の可能性調査については、国の検討状況の把握にとどめた。 (1)国内の事例調査では、高等教育機関における学習成果活用支援の事例として兵庫大学エクステンションセンターを訪問調査した。市民への公開講座を開催するとともに、その講師の一部を学習成果を活用する市民が担っている。今後は、公開講座受講者への相談体制を充実したいとし、その方策としてeポートフォリオも考えられるとしている。本研究が対象とする学習成果活用を支援する相談業務と、その支援方策の研究成果が期待される事例調査となった。 (2)学習成果活用を支援する相談業務の実践研究として、大阪府茨木市教育委員会の協力を得て、学習成果活用相談会を試行しその評価を行った。実際に学習成果を生かしたいとする市民を受け入れ、茨木市立生涯学習センターの相談員と地域のシニアの活動を支援する相談員が対応した。3ヶ月の試行期間の中で、多様な学習成果とさまざまな状況を持つ市民に対し、その活用を支援する相談員にどのような情報と力量が求められるか評価・分析を行った。その結果、相談者である市民と相談員の間の情報の共有と相互理解が重要であることを確認した。また、これらの共有にいたるプロセスを詳細に把握するため、相談記録を電子的に採取した。これらの実践データは、学習成果活用を支援する相談業務と相談員の要件や、相談員の育成プログラム開発に役立てる重要なデータとすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの理論的研究に加えて、研究成果の活用が想定される地域の関係機関で試行調査を行うことができた。この試行調査で得たデータを生かして、本研究における学習成果活用を支援する相談業務と相談員の育成プログラムの研究をさらに進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
市民の積み重ねきた学習成果や活用を考える状況は多様であり、学習成果活用支援における実践的データの蓄積は重要である。そのため、平成29年度に行った学習成果活用を支援する相談の試行調査をさらに進め、評価データの蓄積を図る。合わせて相談員の育成を試行し、その効果と課題を分析することで育成プログラムのモデルを導出する。 また、学習成果活用を支援する相談業務のモデルと、相談員の育成プログラムのモデルについて、これらの相談業務の導入と相談員の育成が期待される関係機関のニーズを把握するため、アンケート調査を実施し本研究の成果の活用に向けた可能性を分析する。 これらをもとに、国内外の研究者等の参加による研究会を開催し、提言としてまとめる。 なお、マイナンバーカードの活用については、国の普及検討が遅れているが、引き続き可能性を調査する。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、学習成果活用支援のための相談を地域で実際に試行し、評価・分析を行うことを重視した。このため、研究期間中に予定している海外での実践者を交えた研究会を行うための旅費等の支出に差異が生じた。 生じた次年度使用額は、平成30年度に当該の研究会に充当することとする。
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Research Products
(1 results)