2016 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における地域人材養成プログラムの現状と発展可能性に関する研究
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16K04594
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪股 歳之 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60436178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲永 由紀 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 講師 (80315027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高等教育 / 地域人材養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等教育機関の教育・人材養成機能に注目し、高等教育における地域的な性質・機能の発展や展開について検討することを目的としている。 国内動向については、特徴ある教育プログラムを事例として、高等教育・人材養成関連施策の動向や、各機関の歴史的背景などに留意しつつ、高等教育機関における地域人材養成のための教育プログラムの現状と課題について検討する。労働市場の規模の小ささは、求人数そのものの小ささと不安定さに直結するが、特に地方部において問題となるのはこうした量的側面での需要の薄さに加えて、質的側面では地域の需要に即した専門的知識を身につけていることが求められる点である。それ故に、履修証明や副専攻制度、外部資金を活用した時限付きの教育プログラムなどといった「柔軟な教育課程」の役割・可能性は拡大しており、その現状と直面する課題を検討する。 また一方で、地域における伝統的な人材確保・養成のプロセスに高等教育が関与していくことも地域性を高める重要な要素である。海外動向では、特に欧州における「学位・資格枠組み」の発展・運用に着目し、高等教育機関のさらなる地域性拡大に向けて、学校教育や職業資格の活用可能性について検討していく。たとえば、ドイツの職業教育のなかでも特に有名なデュアルシステムは主に中等教育段階のプログラムであるが、州や会議所などの地域を基礎的な単位としつつ企業における職業訓練を重視しつつ構成されており、職業資格の国際通用性に対する検討も進む。地域人材養成のための教育課程には職業教育も盛り込まれることが多いことからも本研究にとって大きな示唆が得られることが期待される。 こうしたことから今年度は研究方針と調査内容をより明確化するとともに、適切な訪問調査の対象を選定するための検討を継続して実施し、次年度の訪問調査実施にむけた準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日程調整の不調により、当年度内に予定していた訪問調査が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
効果的な研究の推進に向けて、共同研究者との研究打ち合わせをより頻繁に実施することに変更し、研究成果の共有や今後の研究方針に関する協議に加え、訪問調査の計画等の調整を継続して行っている。
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Causes of Carryover |
訪問調査の調整不調による未実施と、それにともなう必要物品の購入見送りによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度請求額と合わせて、訪問調査の実施および必要物品購入を進める。
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Research Products
(5 results)