2017 Fiscal Year Research-status Report
戦後の大学の学部学科編成の変化と地域の高等教育システムの展望
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16K04609
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 博敏 広島大学, 教育学研究科, 教授 (10127730)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学部学科 / 大学 / 組織変化 / 人口動態 / 産業構造 / 社会変動 / 高等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度までに戦後の大学の専門分野別学生数と卒業後の就職状況に関する時系列統計データの入力が終了した。「47都道府県別大学学部マトリクス」の作成は2015年と2000年について完了し、1960年、1980年についても遡及入力をほぼ終え、現在データのチェックを行っているところである。また、主要大学の学部学科編成の構造変化を明らかにすべく平成29年度に質問紙調査を実施したが、現在データ入力を終え、分析を開始している。 平成29年度は、教育系学部について戦後の学部学科編成の変化について、人口変動と雇用動向の変化に対応した組織変化に関して先行的に分析を行い、比較的長大な論文一編「戦後における教員需要の変化と国立教員養成学部の対応」を『教育科学』という雑誌に執筆し、公表した。工学系学部については「47都道府県別大学学部マトリクス」を使用した分析を行い、研究室内の研究会で分析結果を開陳し検討したところである。1960年、1980年のデータ入力の検証が完了すれば、我が国の高度成長期から今日の脱工業化・情報社会化、国際化、高齢化した時代までの産業構造や人口動態の変化に対応した組織変化について体系的な分析結果が期待されるとこまで到達したと言えよう。 主要大学の学部長・研究科長に対する質問紙調査データの分析と併せて、教育系、工学系から、人文・社会・理工学・農学・医歯薬等その他の分野に拡大して我が国の大学を中心とする高等教育の構造変化を総合的に分析する基盤が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れていると自己評価したが、その理由の一つは本年度が長年勤務してきた大学を定年退職する年であり、年度後半から研究室の図書や設備等の整理を行わなければならなくなったからである。後半の半年間は細かな研究作業を行うことはできなかった。幸い、科学研究費交付2年目までの成果を一つの論文にすることはできたが、「学部マトリクス」を用いた本格的な分析作業は次年度、3年目に行うことにした。そのため、予定していた研究作業に必要な研究経費も3年目に繰り下げさせていただくことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
4年計画の研究の3年目は、新しい職場、兵庫大学高等教育研究センターで行うことになった。今後の2年間、本研究は新しい研究の場で活動をすることになる。幸い、兵庫大学高等教育研究センターは本研究のテーマである高等教育の研究を行うにふさわしい場所であり、平成30年からの後半の2年間は収穫の2年間となるようにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は定年退職の年にあたり、特に年度後半において予定していた研究活動の一部を実施することが困難となり、次年度に持ち越しせざるを得ない状況となった。何卒、ご理解とご了解をお願いいたします。
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Research Products
(2 results)