2016 Fiscal Year Research-status Report
日本式高専のモンゴル・マレーシアへの輸出と定着に関する研究
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16K04610
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹熊 尚夫 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (10264003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹熊 真波 筑紫女学園大学, 文学部, 教授 (50253373)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 比較教育 / 教育借用 / 高専 / マレーシア / 教育制度移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当該研究プロジェクトの第1年度に当たり、調査資料の収集と共に、国内の高専調査研究として、東京の国立高専機構への調査、国内高専への訪問調査、マレーシアの日本式高専の準備教育プログラムへの訪問調査と調査協議を中心に行った。 国内および海外で実施予定の調査について独立行政法人国立高等専門学校機構本部事務局との打ち合わせ、日本及びモンゴル、マレーシア、ベトナムへの高専の輸出状況について情報収集を行うと共に、日本の高専での教育カリキュラムの特色、国際展開としての国際交流、留学生受入、海外への輸出に関わる障壁などについて協議すると共に、今後の調査協力についての承諾を得た。 高専への学校訪問調査では一校しか訪問できなかったが、本研究の第一段階としての高専の実情に関する資料収集と聞き取りを行った。高専の教育スピリット(ethos)の教育実態としては教師と生徒の距離の近さと専門教育における実技の重視、カリキュラムの構造としては高校教育を2年間で行う一方教養教育を精選している状況、人口減と地方の産業の変化による志願者の減少への対応と高専教育への適合性の選考方法について、留学生の準備教育と高専教育への評価と将来志望等についての情報を収集した。また、今後の調査への協力依頼も了解を得ることができた。 INTEC教育カレッジ内にある「東方政策プログラム高等専門学校予備教育コース」を訪ね、学生の指導に当たっている先生方に教育内容や学生の特徴等について伺い、また質問紙調査の詳細について相談した。学生は日本語を全く分からないところからわずか2年間で日本での受講に耐えられるまで(文科省作成の試験に合格する必要がある)にレベルアップする必要があり、他の海外派遣の学生に比べてかなり過密なスケジュールで修学している。高専進学後はほとんどが大学への編入又は高専内の専攻科への進学という道をたどる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
部局の副学府長、副研究院長に就任したため、殆ど毎週の会議の運営・参加をすることとなり海外調査が滞った。また、熊本地震とそれによる大学支援と親族への支援、避難所提供、併せて、家族内での親族の逝去に伴う介護、疾病、事故等により、十分な調査研究機関の確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度まで副研究院長の職にあるが、その他の障壁は回避できると考える。本年度の本格的な調査準備は既にはじめており、期間の確保に努め、調査遂行を優先させる様計画中である。
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