2018 Fiscal Year Research-status Report
アカデミックキャリア男女間格差解消を目指した新たな医学部ジェンダー教育の構築
Project/Area Number |
16K04614
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
須崎 康恵 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30382302)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 文子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70271202) [Withdrawn]
岡本 希 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70364057)
御輿 久美子 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20106503) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ジェンダーと教育 / 男女共同参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、奈良県立医科大学の医学科学生(男子503名、女子188名、合計691名)と附属病院の初期臨床研修医(男性53名、女性30名、合計83名)を対象に意向調査を実施し、平成29年度は、意向調査の分析を行った.平成30年度は、前年度までの研究結果に基づきアカデミックキャリア男女医師間格差解消を目指した教育プログラムの作成を行った.プログラムでは、意向調査で得られた男女共同参画と男女間アカデミックキャリア格差に関する認知度や意識、キャリア向上に対するモチベーションに性差が存在し、女性臨床研修医が明確なキャリアプランを描きにくい現状を学生に伝え、対処法や解決策を男女混合のグループで学生自身に考えさせる内容とした.男子学生には、学業面に差がない女子学生が、性別役割分担感等社会通念から将来のキャリア形成に不安を抱いていることの理解を促し、解決策を女子学生とともに考える中で男女共同参画の意識を高めるように工夫した.また、女子学生には、指導的立場に立つ女性医師の増加は医学界に多様性を生み、医療を更に発展させる可能性があることを伝え、自身がその当事者であるという自覚を促す内容とした.これらのプログラムを本学医学部5年生の臨床実習の際に、男女混合の5-6人の少人数グループで実施した.さらに、医学部2年生には、身近なロールモデルである先輩医師や教員の現状とキャリア形成の過程を紹介する授業を実施し、臨床研修医に対しては、アカデミックキャリアを阻むと予想されるハラスメント等外的要因の予防策や対処法を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は、意向調査の結果をもとに医学部ジェンダー教育プログラムを作成し、主として本学医学部5年生に実施したが、理解度に個人差が大きかったため、プログラム改善の必要性がある.また、当初予定していた各学年の成長に合わせた継続的なプログラムの作成ができておらず、研究はやや遅れていると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
本学の教育開発センターおよび臨床研修センターに所属する教員と協働し、平成30 年度に作成した医学部ジェンダー教育プログラムを改善する. また、改善したプログラムを低学年から高学年、臨床研修医に対して実施し、授業の前後で男女共同参画とアカデミックキャリアに関する意識調査を行い、プログラムの教育効果を検証する.
|
Causes of Carryover |
当初、資料整理に関わる人件費を計上していたが、法人が雇用する事務職員の協力が得られたため、人件費削減となった.また、教育教材作成の費用を計上していたが、昨年度は作成にまで至らなかったため経費を使用できなかった.本年度は、教育教材の作成に経費が必要であり、研究成果を国内外の学会で発表し、英文校正等の英文論文作成や投稿にも経費を要する.
|