2017 Fiscal Year Research-status Report
大卒就職における不利益者析出メカニズムに関する研究
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16K04627
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
大島 真夫 東京理科大学, 教育支援機構, 講師 (60407749)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大卒就職 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年たびたび変更されてきた大学生の就職活動開始日を題材とし、①就職活動スケジュールの変更がどういった学生にどのような不利益をもたらすのか、②不利益を被る学生に対して大学はいかなる支援をなし得るのか、を明らかにすることを目的とする。研究2年目の平成29年度は、本研究を構成する「大学職員聞き取り調査」「学生調査(インターネット調査)」「学生聞き取り調査」の3調査のうち、「大学職員聞き取り調査」と「学生聞き取り調査」の2調査に関連して研究を進めた。「大学職員聞き取り調査」については、前年度からの継続として実施し,直近5年程度における変化についても新たに聞き取りを行った。2018年3月卒業生は2017年3月卒業生と同様(2016年3月卒業生と比べて2ヶ月前倒し)のスケジュールで就職活動が行われ,特段大きな混乱は生じなかったようである。8月開始時の混乱を考えると現状の6月開始の方がベター,との認識が優勢だった。他方,「学生聞き取り調査」では2018年3月卒業生を対象に聞き取りを実施した。6月開始へと変更になってから2年目の世代で,前年に活動した先輩たちの様子をどのように参考にしたかに注目して聞き取りを行った。同じスケジュールであることから,違和感なく先輩の話を参考にすることができたのではないか,というのが現時点での結論である。ウェブサイトのみならず大学やその他さまざまなプロバイダからも就職に関する情報は提供されるが,直接知り合っている先輩からの情報は信憑性が高く信頼できるものとして認識されていた。その先輩からの経験談が,同一スケジュールという条件の下で,学生の就職活動に対する大きな指針になっていたのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を構成する「大学職員聞き取り調査」「学生調査(インターネット調査)」「学生聞き取り調査」の3調査のうち、「大学職員聞き取り調査」については、ほぼ当初の予定通り研究が進んでいる。また,「学生聞き取り調査」については、本来であれば前年度から実施すべきであったところ,他の2調査を優先させるために未実施であったが,本年度において前年度不足していた分とあわせて実施し,ほぼ当初の計画通りの状況になったということができる。しかしながら,「学生調査(インターネット調査)」は,前年度に引き続き調査設計を行ったものの,実査については,当初予定していた平成29年度ではなく,一年延期して平成30年度に実施することとした。以上のことから、研究全体としては当初の計画以上に進展しているとは言えず、おおむね順調に進展していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、研究期間最終年度であり,未着手となっている「学生調査(インターネット調査)」を確実に実施する。その上で,これまでに実施した「大学職員聞き取り調査」および「学生聞き取り調査」の結果とあわせ,最終的な研究成果をとりまとめていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度実施予定であった「学生調査(インターネット調査)」を,一年延期し次年度実施とすることにしたため,平成29年度間の使用がなかった。次年度においては,確実に調査を実施したい。
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Research Products
(1 results)