2016 Fiscal Year Research-status Report
越境する結婚移住者の教育観に関する基礎調査:国際結婚した在外日本人父親の言説分析
Project/Area Number |
16K04630
|
Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (60449113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宣 元錫 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10466906)
藤田ラウンド 幸世 立教大学, 異文化コミュニケーション研究科, 特任准教授 (60383535)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 父親の育児参加 / 国際結婚 / ミドルクラス移民 / 子育て / 在外日本人 / グローバリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、国際結婚を経て海外で子育てをする日本人父親のライフストーリーを収集し分析する。対象国は、中国、フィリピン、韓国、タイと日本人男性の国際結婚相手国の上位4カ国とした。 初年度の本年度は当初からの予定にしたがって理論研究、調査準備、基礎調査を行った。 具体的には、理論研究として国際結婚、父親の育児参加、ミドルクラス移民などをキーワードに教育を軸として文献研究を行った。当初の予想通り、国際結婚の研究では日本人父親の立場に立ったものは少なく、父親の育児参加を対象にした研究で国際結婚家庭を扱ったものもあまりみられず、ミドルクラス移民を扱った研究に国際結婚や子育てを視野に入れたものは限られていた。これらのことから新たな対象として国際結婚を経て海外で子育てをする日本人父親を対象とした本研究の意義を確認することができた。この成果は第27回日本国際理解教育学会(上越教育大学)で発表した。 調査準備としては、インタビュー方法について前年まで行っていた共同研究(「多文化家庭の子育て戦略の課題 -日韓中の国際カップルへのインタビュー調査」基盤研究(C)25381142)でとった方法に若干の修正を加えることで確定させた。結果、ナラティブ理論に基づく枠組みの下で教育観を軸にしたインタビューを行うこととした。 基礎調査としては、対象国でのインタビューのためのネットワークの確認・構築とを行った。特に、前年まで行っていた先述の共同研究で扱っていなかったフィリピンとタイには現地の各所で研究趣旨の説明、協力依頼、少数のインタビューを行い、本調査に向けての十分なネットワークの起点を得ることができた。またコンタクトへの説明のために研究紹介のリーフレットを複数言語(日、英、韓)で作成した。今後必要に応じて、他の言語(中、タイ、タガログなど)での作成も検討したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた理論研究、調査準備、基礎調査はおおむね行うことができた。 なお、申請時には対象4か国を現地訪問してのネットワークの確認・構築を目的とした基礎調査を行うとしていたが、本調査の渡航費を確保するために、フィリピン、タイのみ現地訪問して実際に面談をしながら本研究の説明や協力依頼を各所で行ったが、中国、韓国については、前年まで行っていた共同研究(「多文化家庭の子育て戦略の課題 -日韓中の国際カップルへのインタビュー調査」基盤研究(C)25381142)で築いたネットワークを活用し、メールなどによる依頼などを行った。ただし、本調査での協力を得られる旨は確認できているので、大きな問題とは認識していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度は本調査として、国際結婚を経て各国での子育てする日本人父親へのインタビュー数が10名程度になるように進めていく。また、必要に応じて妻や、各国で子育てする日本人母親へもインタビューを行い、複眼的な視点で立体的な理解が得られるように留意したい。また、インタビュー調査を進めるだけでなく、適宜父親たちへの還元・共有も行っていきたい。
|
Causes of Carryover |
本調査での渡航費に回すため、前年度までの共同研究で扱った2カ国(中国、韓国)での基礎調査(ネットワーク構築、研究への協力依頼)をメール(韓国)や研究協力者(中国)による代行などで行った。また、現地の研究協力者のいない韓国に関しては、別件での渡航時に一部顔合わせなどを行い本調査への協力依頼とネットワークの維持活動を行った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の通り、本調査での渡航費として使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)