2017 Fiscal Year Research-status Report
越境する結婚移住者の教育観に関する基礎調査:国際結婚した在外日本人父親の言説分析
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16K04630
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (60449113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宣 元錫 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10466906)
藤田ラウンド 幸世 国際基督教大学, 付属研究所, 研究員 (60383535)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 父親の子育て参加 / 国際結婚 / ミドルクラス移民 / 外日本人 / グローバリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度の理論研究で定めた研究枠組みに従い、基礎調査で構築したネットワークを起点にタイ、フィリピン、韓国での調査を行った。共同研究者として参加した他の科研や過去の共同研究との相乗効果もあって順調に進めることができた。 タイでの調査(2017年7月、12月)は、代表者が研究分担者として参加している「『買い物弱者』としての在外子育て家庭の研究:国内流通課題への適応可能性」(15K13052:代表:久保康彦)と重なる調査対象、地域を中心としたため非常に効率よく実施することができた。タイについての調査は、8月に旭川大学で開催した公開シンポジウム(「買い物弱者」としての在外子育て家庭 国内の「買い物弱者」問題への示唆を探る(8月18日))で発表したうえで、相模女子大学紀要に論文(「タイ王国における日タイ国際結婚家庭の教育観 : 教育商品調達についての語りから」)として発表した。同論文は英語に翻訳して機関リポジトリで公開した。現在は同シンポジウムをもとにした書籍を準備中で、来年度中にはそのうちの一章として発刊できる見込みである。 一方、フィリピンでの調査(2017年6月、2018年2月)では、ネットワークを広げながらインタビューを実施中である。次年度にも現地調査を行ったうえで、成果を取りまとめていきたい。また韓国での調査(2018年3月)では、本課題の着想を得た「多文化家庭の子育て戦略の課題 -日韓中の国際カップルへのインタビュー調査」(2013-2015)(25381142:代表:渡辺幸倫)で築いたネットワークを活用して、タイ、フィリピンとの比較の視点も入れながら調査することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の進捗を踏まえて、当初はタイとフィリピンの調査を同時に進める予定であったが、調査地でのネットワークの発展を鑑みタイの調査を優先して行った。そのためタイについての研究はフォローアップ調査も行ったうえで、予定よりも早く成果を発表するところまで進めることができた。しかし、その影響でフィリピンの調査は相対的に手薄になってしまった。ただし、この程度の遅れは研究の全体の進捗としては許容範囲であり、次年度に十分取り戻すことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である30年度は、フィリピンでの調査を早期に終え(2018年5月、7月に予定)、成果のとりまとめに入りたい。また、年度の中盤以降には再度韓国と中国での調査を行い、可能な限り比較の視点も持って考察を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究メンバーが参加する別の科研との相乗効果によって、一部費用を抑えることができた。また、調査先との時期の調整の結果、一部の出張が最終年度にずれ込んだため繰越金が発生した。使用計画としては、充足率の関係で縮小した部分の研究を一部復活させることを視野に実施していきたい。
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Research Products
(4 results)