2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K04636
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
大森 弘子 佛教大学, 社会福祉学部, 非常勤講師 (90445974)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 保育士の専門性 / キャリア・パス / 支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、保育士の成長過程を、保育士のキャリア・パスのモデルで提示することである。これによって、保育士の定着促進や離職防止に繋がることが想定される。具体的には、保育士の専門性を可視化すると共に、保育士が成長し専門性を高めることができるような、支援プログラムを開発し試行することである。 その第1段として、平成28年度は、「育児不安」と「子育て支援」に関する文献調査を実施した。また、質問紙調査を行った。その結果、保育士が同僚の保育士を十分に観察して成功経験を見習う機会や、その経験を分かち合う時間が少ないことが分かった。 A. Bandura(1977)は、成功経験を持つこと、他者の成功経験を観察すること等が効力感の向上に有効であると指摘している。また、効力感が強い人は、目標を設定し、目標に向かって努力し維持していき、ストレスが軽減していくと指摘されている。 そこで第2段として、平成29年度は、保育士への支援プログラムの開発を試み試行した。具体的には、現職保育士20名を対象に、子育て支援を行う上で必要となる効力感の向上を目指した。支援プログラムは、主に、保育士への役割期待の理解・振り返りによる行動目標の設定から成る90分の研修、及び毎日1分間のマネジメント(1か月間)から構成されている。また、実証的検討のため、質問紙を準備した。その結果、振り返りによって保育士は、過去の成功経験を想起し、保育士効力感を高める手立てに気付き、有効な技術を得たと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保育士への支援プログラムの開発を試みることができ、質問紙調査が終了した。本研究は、実証的な研究になったと考えられるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
高い専門性と豊富な経験に支えられた実践力が求められる「保育士のキャリア・パス」を構造化し、保育士への支援プログラムの開発を進める。これを保育現場にも還元していく方針である。 そのため、現職保育士を対象とした研修会や講演会にも積極的に参加し、交流型・相互交流型の研究を目指す。また、インターネットを通して、現職保育士や研究者にも研究結果を公表し、効果的なフィードバックを仰ぐ予定である。 得られた知見を報告集や論文としてまとめ、成果を職能団体や自治体の保育担当者などへも伝え、今後の保育士研修や子育て支援のあり方を提案していく。
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Causes of Carryover |
(理由) 論文翻訳費を次年度にまわしたため、当該助成金が生じている。
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