2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル世界における近代的歴史教育形成の比較研究
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16K04642
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Research Institution | Nagoya Management Junior College |
Principal Investigator |
武 小燕 名古屋経営短期大学, 子ども学科, 准教授 (00634578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝弘 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40242234)
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 教授 (70260742)
貴堂 嘉之 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70262095)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歴史教育 / 自国史 / 外国史・世界史 / 国民形成 / グローバル / 伝統 / 近代化 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2回の研究会を名古屋経営短期大学で開催し、それぞれ次のことについて討論した。第1回研究会は2017年8月に開催され、韓国から研究者を招いて「韓国近代歴史教育における『最初の国』物語の変遷」をテーマとした報告が行われた。また、貴堂嘉之より「アメリカ合衆国における歴史教育の課題」が報告された。第2回研究会は2018年1月に開催され、これまでの進展について中間まとめを行い、今後の展開について話し合った。調査対象は近代初期に限定せず、より長いスパンを視野に入れることに調整した。 2018年2月に武は京都府立大学を訪ね、中国の歴史教育について岡本隆司と史学と教育学の視点から検討し、特に「新史学」が登場する前の伝統的な歴史教育とそれ以降の近代的歴史教育の連続と断絶について話し合った。同じ2018年2月に武は愛知大学で開催された日本現代中国学会東海部会第10回研究集会で「近代中国の歴史教育の展開:自国観と世界観の変遷」を報告した。近代的歴史教育が登場した背景と初期の自国史・外国史の教科書に対する考察より、進化論の影響、東洋史学に対する止揚、自国史と外国史の異なる位置づけを指摘した。研究分担者各位もそれぞれ本科研に関連する内容の学会発表または出版物が出されている。 現地調査について、武は昨年度の北京師範大学での資料収集に続き、不足な文献を上海の華東師範大学で調べ、歴史教科書や教育雑誌のデータ収集を行った。近藤孝弘はドイツに、小笠原弘幸はトルコに渡航し、それぞれの担当地域の資料調査に取り組んでいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書で予定された資料収集が行われており、それぞれの担当地域に関する考察が研究会で報告し、本科研に関する共通理解が進められている。また、一部の調査結果は出版物や学会発表を通じて社会に発信している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで研究会で報告した内容をベースに、指摘された意見に基づく修正と追加調査で得られた知見を入れながら、論文化していく作業を進める。H30年度に不足な調査を引き続き行うほか、研究会などで全体討論を深めながら、今後出版物にまとめて本科研の研究成果を社会に発信することに取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
研究分担者の一人は年度持越しのできない学内助成金が取れたことで、科研で予定した海外出張等はそちらを利用したためである。
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Research Products
(13 results)