2017 Fiscal Year Research-status Report
小学生の国語誤用の収集・分析と指導法開発に関する研究
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16K04654
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 雅樹 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50361217)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国語科教育 / 作文 / 国語誤用 / 音読 / 推敲 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目の計画である、1年目に収集した国語誤用の原因推定を踏まえた検証授業の分析を行った。国語誤用の予防指導と誤用改善指導の両面から指導方法を開発することが目的であった。この目的はおおむね達成できた。 分析の対象としたのは、研究代表者が卒業研究を指導した学部4年生が、秋田県内の公立小学校で行った2回の授業である。 指導法開発に生かすことができる具体的な成果(国語誤用の発見とその適切な修正に効果がある方法)は、主なもので4点あった。1点目。国語誤用の指導は、予防指導(取り立て指導)から行い、改善指導(文章推敲の指導)に進むことが有効である。2点目。児童自身が国語誤用を修正する場合は、活動形態として、個人ではなく、ペアやグループが効果的である。3点目。国語誤用を修正する際は、黙々と行うのではなく、声に出して(音読)行うことが効果的である。4点目。国語誤用を防ぐには、誤用がなぜ誤りであるのか、修正案がなぜ正しいといえるのか、児童自身に説明させることが効果的である。これら得られた知見は、分析対象となった授業が小学校3年生のものであったため、無理なく上下隣接する学年段階(低学年及び高学年)にも適用できるものである。 以上は、教育文化学部附属教育実践研究支援センターの研究紀要に掲載された論文にまとめた。 なお、平成29年度はこのほかに、東京都江戸川区の指導教諭の協力を得て、指導法開発のための授業実践をしていただいた。この分析は次年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り進んでいる。ただし、分析対象となる授業実践が限られているために、学年別6段階あるいは低中高学年別3段階に分けた分析までは行えていない。しかしながら、平成29年度の分析対象とした3年生は中学年であり、低学年の場合や高学年の場合を推定することに好都合であった。また、東京都江戸川区の公立小学校指導教諭の協力が得られ、小学校6年生の国語誤用改善指導の授業データを得ることができた。 これらの状況を総合的に見て、「おおむね順調に進展している」と判断するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究最終年度の研究に取り組む。具体的には、研究初年度に収集・整理した国語誤用のリストに、平成29年度に分析した小学校3年生の授業実践で得られた国語誤用を加える。また、平成29年度に授業協力をいただいた東京都江戸川区立下鎌田西小学校6年生の授業分析を行い、小学3年生の分析と合わせて指導法の整理を行う。さらに、この6年生の授業で得られた国語誤用を、研究初年度の国語誤用リストに加えて整理する。 このほかに、平成29年度内に秋田市内の泉中学校・飯島中学校の教師の協力で入手した中学校2年生及び3年生の国語誤用についても分析し、先のリストに反映させたいと考えている。 なお、できる限り附属小学校の低学年教師の協力を得て、小学校低学年の国語誤用の収集と指導法の整理を行いたい。
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Causes of Carryover |
主に学会参加のための旅費が計画した金額を下回ったため。これは研究最終年度である次年度の研究旅費や研究成果をまとめた冊子の印刷・製本費等に充当する計画である。
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Research Products
(1 results)