2017 Fiscal Year Research-status Report
大学教養英語教育におけるReciprocal Teachingの授業開発
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16K04657
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
野村 幸代 茨城大学, 全学教育機構, 准教授 (90635195)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Reciprocal Teaching / アクティブ・ラーニング / 英文読解 / 大学教養英語 / 語彙力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度実施した4回の調査結果のデータを整理し、先行研究との関連性を精査し、学会発表を行った。Reciprocal Teachingの理論の基礎部分である協同学習の理論部分を整理し、The 15th ASIA TEFL International Conference(15th,July,2017,Yogyakarta State University)で発表を行った。〝Enhancing Speech Performance and Boosting Confidence of False Beginner Students"というタイトルで、協同学習の理論だけではなく、実践の紹介も行い、学習者の授業への取り組みの向上について論じた。日本教授学習心理学会第13回年会(2017年7月1日、仙台大学)では、「互恵的教授の英語語彙力への影響」という題目で学習者の語彙力テストの結果と学習プロセスの発話の質的分析から、Reciprocal teachingの有効性を発表した。具体的には、未知語に関して、学習者が何度も発話しながら意味を理解し、場合によっては、学習者がそれぞれの単語に対して視覚的なイメージを形成することが示された。本研究の結果、Reciprocal Teachingの「明確化」を取り入れた学習法は、学習者に一定の単語に幾度も触れる機会を提供できることが明らかになった。また、ディスカッションにより学習者に未知語が共有され、語彙力が弱い学習者にとってReciprocal Teachingが「足場かけ」になることも明らかになった。加えて、記憶に残る単語量が増加した。ここから、Reciprocal Teachingは語彙力の向上に効果があることが示唆された。結論として、Reciprocal Teachingは、本来、英語圏において母語による読解力を向上させるための教授・学習法であるが、英文読解においても、語彙力が増し学習者のテキスト理解のレベルを引き上げることができる可能性が高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に十分な調査を行うことができ、昨年度はデータの分析に時間をかけることができた。データ補助のアルバイトも雇用できたため、順調に研究が進んだ。また、4回の調査を終え、それに基づいた学会発表を行うことによって、論文化する際の理論の補強の必要性が明らかになった。具体的には、Reciprocal Teachingの4つのストラテジー(「質問」、「明確化」、「予測」、「要約」)のうち、「質問」と「明確化」の活動の違いをより明確に論じる必要が明らかになった。また、学習者の情意の変化を測定したアンケート調査に関しては、アンケート項目の妥当性を高める必要が明らかになった。これらの点に関して先行研究の再検討を行った。これらの学会発表で得た指摘を踏まえて、論文を執筆中である。また、先行研究を再検討したことにより得た知見と、調査結果から得られたデータを照会することにより、日本の大学教養英語の授業においては、Reciprocal Teachingでは「予測」と「要約」は導入困難であること、また「質問」と「明確化」だけでも英文テキストの理解に効果があることが明らかになった。このように、授業モデルを構築するためのデータと理論がそろったため、Recprocal Teachingの授業モデルを構築すれば、本研究のテーマである、「日本の大学教養英語におけるReciprocal Teachingの授業開発」という目的が達成できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、開発したReciprocal Teachingの授業モデルを構築し、学会発表を行う。The 16th ASIA TEFL International Cnference (27-29, Jun, 2018, Macau)において、〝Effects of Reciprocal teaching 〝Forming Questions" on Japanese English Learners' Text Conprehensionというテーマで発表したいと考え、要綱の審査を申請した。審査を通過し、発表が認められたため、発表準備を進めている。また、現在執筆中の、語彙力向上への効果検証に関する論文の完成と、日本におけるReciprocal Teachingの授業モデルの提案を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)デスクトップ型パソコンの購入を予定していたが、老朽化しているとはいえ稼働しているため、来年度に購入することとした。 (使用計画)デスクトップ型パソコンの購入とThe 16th ASIA TEFL International Conferenceと第14回日本教授学習心理学会における学会発表に伴う旅費に使用予定。
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Research Products
(2 results)