2019 Fiscal Year Annual Research Report
A qualitative analysis of elementary school English lessons with students' high enjoyment and those with low enjoymnent
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16K04659
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
猪井 新一 茨城大学, 教育学部, 教授 (80254887)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小学校英語 / 意味 / 形式 / big voice / eye contact / スピーチ / 言語活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は、公立小学校1校を訪問し、2クラスの小学校英語の授業を見学し、児童へのアンケート調査を実施した。前回の科研費データも取り入れながら、外国語習得理論の研究成果に基づいた調査をすすめた。研究成果を国際学会(KOREATEOSL 2019)で発表し、査読付きProceedings論文として公刊された。発表内容は以下の通りである。 スピーチ活動を扱っている、2つの小学校6年生の英語の授業を比較した。ともに、学級担任は主指導ではない授業である。一方は、ALTが中心の授業で、児童の授業に対する好意度が高く、他方は中学校教師が中心の授業で、児童の好意度がさほど高くはなかった。高好意度授業の特徴は、スピーチ活動を含め、意味中心の活動が主であったが、低好意度授業は、big voice, eye contact, smileなどの話し方の特徴、言い換えれば、形式(非言語的)に着目するような授業であった。 外国語習得理論上は、意味と形式の両方に着目することが重要であるが、とりわけ、小学生のような初学者は、意味に着目する傾向が強いと言われている。それも英語の言語形式なら、名詞、動詞、形容詞などの内容語に注意が行き、冠詞、前置詞等の機能語には注意が払われない傾向にある。big voice, eye contact, smileなどは、非言語的な形式であり、意味ではない。非言語形式であれ、形式に重点をおくような活動は、児童の認知的・記憶的容量を超えてしまい、結果として意味にまで注意が払われず、児童の授業の高好意度にはつながらなかった。英語学習を開始したばかりの小学生は、意味中心の活動を英語の授業で展開するべきであると結論付けた。
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Research Products
(8 results)