2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study on learning strategies encouraging flexible and deep thinking in the process of art appreciation
Project/Area Number |
16K04661
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石崎 和宏 筑波大学, 芸術系, 教授 (80250869)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 美術教育 / 美術鑑賞 / 学習方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、平成30年度にプロポーザルを申請して採択された国際会議での研究成果発表のために研究期間を1年延長し、予定されていた国際会議での口頭発表を行い、これまでの研究成果について公開した。また、研究を総括し、美術鑑賞での思考の深化を支援する学習方略の実践的検証の成果をまとめた。 まず、美術鑑賞のプロセスにおいて、視覚的メタファー(visual metaphor)と言語的メタファー(verbal metaphor)を相互作用させる支援が、鑑賞者の思考の深まりを促す上で重要であることを大学生の事例分析から明らかにした。また、鑑賞での意味生成におけるメタファーの関与については、視覚的メタファーの複数のレベルと暗示的・多義的特性に関するParsons(2010)の知見に基づき、作品解釈において鑑賞者がどのように意味を生成したかを分析し、GreerとBlair(2018)によるBlending Methodの手法を活用して図式化した。具体的には、大学生が作品鑑賞後に作成したショートビデオを分析し、どのように映像がメタファーと関連して暗示的で多義的な意味として生成されたかを図によって可視化した。さらに、鑑賞での作品解釈において、ショートビデオ作成のような協働的な学び合いの活動を経ることや、視覚と言語を相互作用させるワークシートの活用、また映像表現を支援するiPad等のデジタルツールの活用は、意味生成に関わるメタファーの視覚化を促すものであり、鑑賞者の思考を深め、「視覚メタファーとしての意味生成」が促されることを指摘した。なお、本研究の主な成果内容については、国際美術教育学会(InSEA)世界会議(カナダ・バンクーバー)において共同発表するとともに、研究協力者(王文純)が台湾の学術誌『藝術學刊』で論文発表した。
|
Research Products
(2 results)